減った残業時間を有効活用 背伸びしない「人脈」づくりがオススメです(高城幸司)

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   最近は働き方改革が確実の進んでいると感じる場面に遭遇することが増えてきました。

   これまで「不夜城」と呼ばれていた会社の電気が20時以降にすべて消えてしまった。あるいは21時以降のパソコン作業ができないように自動的にシャットダウンしてしまう仕組みが導入された。本来の狙いは生産性の向上ですが、その前段階の取り組みともいえる残業の削減に企業は果敢に挑んでいるように見えます。

  • 背伸びしない人脈づくりが大事です!
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残業時間が減って収入も減った

   残業を減らす取り組みは社員にとって、どのような存在なのか――。強制的な残業に対してストレスを感じる人は多く、そうした人にとっては気分的にラクな状態になったことでしょう。

   女性は顕著で、残業が多いと肌の調子が悪くなるとする人が7割以上になっているとのこと。ビジネスパーソン全体では人間関係、お金に次ぐストレス要因になっています。

   こうしたストレスは残業が減って大分解消されていることでしょう。ただ、残業ができないことでランチの時間を手短に済ますしかない、業務負荷が増えたなどマイナスの要因も数多く生まれているようです。

   なかでも、大きなマイナス要因は収入の減少。NTTデータ経営研究所と「NTTコムリサーチ」が2018年6月に実施した調査で、働き方改革によるマイナスの変化(複数回答)を聞いたところ、「収入が減少している」との回答が22.9%ありました。半面、43.2%が「マイナスの変化はない」と回答しています。

   残業が減って、ストレスは解消されたかもしれませんが実入りが減って悩ましさを感じる状況になったようです。

   さて、残業が減るということは帰社時刻が早まります。つまり、自分で自由につかえる時間が増えたのですが、収入が減って「どうしよう」と困ってしまう状態になるかもしれません。早めに帰宅しても、漫然と時間を過ごすだけになりがちの人もたくさんいることでしょう。

大事なことは「目的意識」を定めること

   でも、収入を増やすためには、帰社後の時間の使い方も考えておきたいものです。筆者としては、目的意識を定めた、新たな人脈づくりをオススメします。

   大事なことは「目的意識」を定めること。これからの自分にとって必要なもの(知識、情報など)は何か? それを入手するために、どのような人との接点をつくるべきか? ペルソナ(典型的なモデル)を描いてみましょう。

   たとえば、将来は起業を考えているが、財務に関する知識が足りない。そうした専門的なスキルを備えた人と接点をつくろう。あるいは将来的にマーケティングの仕事をしたいが、現在は違う部署に勤務している。マーケティングに関する部門で仕事をしている人から、必要なことを教えてもらいたい......。そんなイメージでしょうか。

   こうして、目的意識が定まったら、自分が相手に提供できる価値は何かをたな卸ししてください。相手にとっても、自分から提供できる価値がなければ人脈は続きません。いまの仕事で専門性が身についていること、すでに構築してきた人脈などを、たな卸ししておくのです。

   そのうえで、新たな人脈づくりを始めていきましょう。ちなみに、決して雲の上の人と人脈になることが重要とは言いません。そのような人脈は継続するのが困難だからです。あくまで自分の相手に対して、それなりの価値を提供できることが前提。背伸びせずに、近しい世代でお互いが刺激を得たり、学びの機会になったりする存在こそが大事な人脈なのです。

(高城幸司)

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
株式会社セレブレイン
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