中国経済が不振で要注意の通貨は?
日本経済に及ぼす影響はどうなるでしょうか――。米国と中国が対立することは、経済的にいいことはあまりありません。中国は現在、製造業の世界拠点ですが、そこから米国企業が少しずつ抜けていくことになるでしょう。
日本企業も同様なことを迫られる可能性があります。中国の需要が想定より低下するので、売り上げは低下します。
この先、日本経済にはオリンピック特需の消滅、2019年の消費増税と経済へのブレーキが2つ見えます。それに、中国経済の不振が加わると、インパクトは小さくなさそうです。
政治的には日本に好都合でしょう。中国も余計な対立点をつくりたくはないでしょうから、尖閣諸島に中国の船がウロウロすることは少なくなりそうです。
ただ、中国経済にどの程度、どのようなペースでブレーキがかかっていくかは読み難いものがあります。
中国も景気対策出してくるでしょう。中国経済が不振となると、影響を最も被るのが豪ドルなどですが、景気対策が部分的に効いたりします。そのため、短期的には不透明ですが、長期的には豪ドルはかなり下げ余地あると思われます。対円では78円の後半を割り込んでくると、次は72円台となり、長期的にはもっと下げ余地があると思います。(志摩力男)