中国の基本戦略は「時間稼ぎ」
実際、リーマン・ブラザーズの経営危機を見抜いて有名になった米ヘッジファンド、グリーンライトキャピタルのデビット・アイホーン氏は「中国による対抗措置を懸念し」長年保有していたアップル株などを売ったと、インタビューに答えています。
本当に中国からの対抗措置が出てきて、市場を大混乱に陥れるということが起こるのでしょうか?
もちろん、それはわかりませんが、「戦争」なので何でもありと言えばありかもしれません。
中国の基本戦略は、時間をできるだけ稼ぐことだと思います。
中国の成長力が米国を上回っているので、時間が経過すれば自然と米中の格差は縮小します。2020年台後半にはGDPの米中逆転もありえると推計されていますが、それまでは臥薪嘗胆、No.1の米国とはぶつからないように、低姿勢でのらりくらりとやっていくのでしょう。
しかし、今そうした戦略が通用しなくなったのかもしれません。11月のG20の際、トランプ・習近平会談が計画されていますが、米国の姿勢があまりにも強硬であるならば、中国も考えられる限りのことをしなければならなくなります。
中国は多額の米国債を保有しています。つまり資金を「敵国」に置くのもおかしなことなので、ある程度の資金シフトはあるかもしれません。大量の資金になるので、受け入れ余地があるのはユーロ、もしくは円ぐらいになります。
可能性が非常に高いとは思いませんが、ある日、大量の米国債の売りと同時に、ユーロ買い、円買いが起こった場合、それは中国の資金シフトであるということもあり得るでしょう。