社員一人ひとりが創造性を発揮して誰もが楽しく働ける社会の実現に向けて、勤怠管理や就業管理などをワークフローで一体管理する働き方改革プラットフォーム「TeamSpirit」を提供するチームスピリット(東京都中央区)が、事業戦略説明&新製品説明会を、2018年10月16日に開催した。
8月22日に東証マザーズ市場に上場して初めて、メディア向けに業績報告と事業戦略を説明。あわせて、働き方を可視化することでタイムマネジメントを実現していく新製品「TeamSpirit WSP」を披露した。
「TeamSpirit」14万人の契約ライセンス数に成長
働き方改革法案の成立で、いまや長時間労働の是正や、時短勤務やテレワークなどの柔軟な働き方などの、社員が働きやすい職場環境の整備に向けた取り組みは企業にとって大きな課題となっている。
一方、労働力人口が減少。社員一人ひとりが創造性を発揮して、いかに高い生産性を生み出すかが重要となっている。
そうしたなか、働き方改革プラットフォーム「TeamSpirit」を提供するチームスピリットの業績は、2018年8月期で売上高が12億3200万円で、前年比59.4%増の伸びを達成した。
規模を問わず、内部統制の整備を目指す企業で、コンプライアンスや36協定を含む就業規則の遵守、未払い残業の防止、原価管理、決裁権限などを整備する場面で、「TeamSpirit」は多くの企業で採用されている。
14万人の契約ライセンス数、契約社数は970社以上を有し、このような背景から2019年8月期も売上高で18億6900万円を予想している。
荻島浩司社長は、
「昨今、AI、ロボットなど機械との競争の時代になっていますが、機械と競争するのでなく、これからは機械を使いこなしていくことが求められます。そのために、すべての人を創造する人にする社会をつくっていきたい」
と、抱負を語る。
この日発表した、新たに投入する製品は「TeamSpirit WSP」。同社では、働き方改革を前へ進め、生産性を高めるソリューションを付加する製品と位置付けている。従来からのムダな間接業務の効率化に加えて、働き方を「可視化」することによって、タイムマネジメントを実現していくという。
海外でも効果を発揮する新製品「TeamSpirit WSP」
「TeamSpirit WSP」の特徴は、4つ。
◆従業員の個々のツールへの二重登録の防止
勤怠管理、就業管理、工数管理、経費精算、電子稟議、カレンダー、SNSなど、社員が毎日使うツールは数多く、入力作業は間接業務になっている。その個々のツールを一体化することで、二重登録などのムダをなくし、相互間の連携でチェックを可能にした。 入力の手間を省くことで、本業に集中できるようにもなる。
◆プランナー(カレンダー)を軸とした「働き方の可視化」とタイムマネジメント
1日のプランニングをプランナー(カレンダー)に入力して、予定と実績、工数と残業時間の関係を振り返る。「よかったところ」「悪かったところ」「続けるアクション」「改善するアクション」を見出していき、改善サイクルを回していくためのツールとして活用する。
◆業務効率とコンプライアンス、内部統制の強化
勤務のない日の経費発生や工数と経費のプロジェクトが一致しない場合、入力時に気づく仕組みにした。データの一元管理と相互関係のチェックによって、未払い残業の防止、36協定の遵守、正確な原価管理、決裁権限などが守られるようになる。
コンプライアンスや内部統制の管理負担も軽減でき、社会的責任も果たせるようなる。
◆社内のコンサルティング体制(プロフェッショナルサービス)の強化
「働き方の可視化」によって、行動を分析し、タイムマネジメントができるようになる。この機能を、社内のコンサルティング体制(プロフェッショナルサービス)が利用することで、強化することができる。
こうした「TeamSpirit WSP」は「TeamSpirit」のオプションではなく、まったく新しい製品としてリリース。すでに評価を受け、来春の正式発表を前に、採用を決めている企業もあるという。
さらに、「TeamSpirit WSP」は、国内だけでなく海外での利用にも効果を発揮する。勤怠管理は日本に特化したものだが、海外ではSier(システムインテグレーター)派遣で、その機能を使うことができるほか、法令への対応、海外通貨の取り扱いなど、海外に拠点を置くグローバル企業や海外の企業への展開を見据えている。
5年後、チームスピリットは売上高で100億円、100万人の契約ライセンス数を目指している。
「日本の工程管理は、海外では専門家のサービスをクライアントに直課(費用を直接、原価となる場合をいう。=賦課)するところで使われています。昨年(17年)末に拠点を立ち上げたシンガポールを起点に、「TeamSpirit WSP」をアジア諸国に展開していきたい」
と、荻島社長は意気込む。