先日、20年来抱えていた持病の手術をしました。命に関わるような疾患ではなかったので、これまでも日常生活に時々支障が出ることはあっても大きな問題はなく、だましだまし仲良くやってきたというのが正直なところです。
今回、手術を決心した最大の理由は、来年(2019年)に還暦を迎えるに際し、引き続き元気で働くため、この節目に健康面での不安を一度ゼロクリアするということを決めたのでした。
そのためには手術後に経過観察をする時間として1年はほしいと考え、59歳の誕生日を前にした段階で手術をすることに決めたのです。
還暦前に手術を決断
検討を始めたのは約半年前。インターネットでいろいろと調べて、どこでどのような手術を受けるのがよいのか、仕事との兼ね合いも考えつつ、慎重に予備調査を重ねました。
というのも、じつはこの疾病ではじめて医師の診断を受けた20年前、医師との面談で知った事実がアタマにひっかかっていたからです。それは、当時の医療技術では私の持病の手術による根治治療にはできれば2週間、最低でも10日間の入院加療を必要とする、という衝撃の事実でした。
当時サラリーマンだった私が、連続して最大に取れる休暇は土日から次の土日までで9日間。病院の場合、日曜日の退院はないので、平日入院で平日退院を考えると連続で取れる休暇は7日間で、一応の就業規則上のルールでは最低入院日数治療でも3日足りないことがわかりました。
もちろん、傷病休暇を活用して休暇申請すれば、休みが取れないことはなかったのですが、そこまでして急いで手術をする必要があるのかということもあり、その時は手術という選択肢は消えてしまったわけなのです。
さて、手術を検討するにあたって、今回も最大の懸念事項は、その入院日数の問題でした。独立してある程度は自分の自由に休みの予定が組めることは間違いないのですが、複数のクライアントからお取引をいただいている身でもあり、あまり身勝手に休業を宣言するわけにもいきませんし、何よりできるだけ手術のことは伏せて、関係先に不要なご心配はおかけしたくない、ということもありました。
できることならば、手術から仕事への復帰までの実質休業は3日程度でなんとかならないか、ということを念頭にさまざま検討したのです。
予備調査は入念に!
そんな考えで医師探しをするなか、思わず目に止まったのが「日帰り手術で翌日から仕事がでる」という触れ込みのクリニックでした。本当に大丈夫なのか、怪しくはないのか、ホームページを、目を皿のように隅から隅まで読み尽くし、ネット上に散らばる複数の体験者の声も探し出して、その実績の裏付け収集にも奔走しました。
そのうえの結論として、ドクター本人宛直接問診にうかがい今ある自分の疑問点をすべてクリアにできるなら、このクリニックで手術をお願いしてみようという可否判断の基準を得るに至ったのです。
直接お目にかかったドクターは、私よりは少し歳下ではありながらかなりベテランという印象で、私の患部を詳しく調べた後に「根治治療をご希望であるなら、結論は手術以外にありません」と明快な答えを出してくれました。
そこで私は、「こちらの日帰り手術を選択することのメリット、デメリットを詳しく教えてほしい。そのお話を聞いたうえで最終判断をさせてください」と申し出ました。
医師は「なぜ、日帰り手術が可能なのか」という、設備の問題、技術の問題、経験則的なノウハウの問題をわかりやすく説明してくれたうえで、メリット、デメリットを次のように説明してくれました。
「最大のメリットは、仕事への影響がほとんどないということです。なぜ日帰りが可能で、翌日から仕事ができるのかと言えば、独自の手法により手術によるキズの回復が早く痛みも最小限に抑えることができるからです。
デメリットとしては、費用面です。特殊技能による手術になりますから、保険適用外となっており、保険手術に比べて数倍のコスト負担がかかります。その他、保険手術にはない想定リスクもありますが、これまで数千件の手術実績では一度もそのリスクは顕在化しておりません。以上でよろしいでしょうか」
決断したら、迷いは禁物!
費用面は確かに高いのですが、生命保険の手術特約の対象になることも調べが済んでいましたので、高額とはいえ、全額自費になることはなく、その点は少し気がラクではありました。そして、この明快で説得力のある説明に、私はこのクリニックで手術をすることを即決したのです。
日程もその日から約3週間後の予定していた日にちに、ちょうどクリニック側の空きがあったので、スムーズにすべての段取りが整いました。そしてほとんど不安のない状態で手術を受けることができ、手術は無事に成功。現在は長年の持病ともおさらばして、非常に快適な毎日を送っております。
なぜ、今回こんな話をしたのかと言えば、常々経営者とともに会社運営を考える仕事の中で、プロジェクトを決断する際のポイントと、ポイントの押さえ方というものが身についているわけで、今回はその経営マインド的習慣がとても役に立ったと思ったからなのです。
具体的には、まず大きな決断に基づく新プロジェクトの取り組みや既定路線の変更は、不測の事態にも対応できるようスケジュール的余裕を持って動き出すことです。予備調査には時間をとって入念に。代替案との比較検討にも極力多くの時間を割いて慎重に対処することです。
最終決断は可否判断のキーファクターを決めて、それがクリアされるなら、一気に前に進める。ここで迷うとうまく前に進まず、失敗や中止に至ったり、機を逸し十分な効果が得られなかったりたりします。
決断したら早期実行あるのみです。最後に費用対効果の考え方。それ相当の効果が見込めるものに対しては、それに伴う常識的な費用は問題視しないのが原則です。
以上、何かのご参考になれば幸いです。(大関暁夫)