インターネットリサーチのマクロミル(東京都港区)が、正社員1000人に副業に対する意識調査を実施したところ、8割を超す社員が「副業を禁止する企業は魅力がない」と答えたことがわかった。2018年10月9日の発表。
政府は、「働き方改革実行計画」(2017年3月28日 働き方改革実現会議の決定)を踏まえ、副業・兼業の普及促進を図っており、18年1月には副業・兼業について、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を作成している。調査によると、「副業が認められている」会社は2割弱で、従業員数が50人未満の会社の半数弱が「副業規則がない」こともわかった。
「副業を認めている」企業は2割に満たない
調査によると、副業を認めている会社のうち、「申請し、許可が下りれば」認められると答えた人は10%、「届け出さえ出せば」認められると答えた人は6%で、合わせて2割に満たなかった=別図参照。
従業員の規模別にみると、大企業は副業を認めない割合が高い傾向にあった。なかでも、「2000~5000人未満」の企業に勤める正社員の65%が「(勤め先は)認めていない」と答え、最も多かった。
また、従業員数が少ない企業では、そもそも「副業規則がない」というケースが多いようで、「50人未満」の企業に勤める正社員のうち47%がそれに該当していた。
そうしたなか、副業の経験について聞いたところ、正社員の副業経験率は34%だった。副業をしていない人に、今後の副業希望を聞くと、「副業をしたい」と答えた人は44%、「副業はしたくない」は30%、「わからない」は26%だった。副業禁止の企業が多いなか、じつは「副業をしたい」という人が少なくないことがわかった。
また、副業をしたい人は「収入」を目的とする人が多く、「生活費の足し」と答えた人が63%で最多。「本業の給与が安い」(56%)や「お小遣い稼ぎ」(54%、いずれも複数回答可)と、直接的な収入を理由としている。
一方で、「スキルアップ」や「キャリアの幅を拡大」、「人脈を拡大」、「独立のため」といった理由をあげた人は少なく、いずれも2割未満だった。