年収1100万円「オトコのこだわり」がスゴイ
年収別に比較すると、おもしろい特徴が見つかった。男女ともシェア志向のひとつ目のピークが年収200~400万円未満。つまり年収300万円前後にある。女性はその後、年収が上がるにつれてシェア志向がどんどん弱くなるが、男性は1000~1200万円未満の高所得層にふたつ目のピークがくる=図表3参照。
ひとつ目のピークは、男性は20~30歳代、女性は30歳前後にあたり、男女ともに非正規雇用の人が比較的多いから、主に経済的な理由から中古品やシェアを利用しているとみられる。しかし、男性の年収1100万円前後にふたつ目のピークがあるのはどういうわけだろうか。
久我さんはこう語った。
「この年収の男性は40~50歳代で、正規雇用の人が多いです。この層は、自分の価値観やライフスタイルを重視して、商品を選ぶ傾向が強いです。『多少高くても品質の良いものを買いたい』『普及品より値段が少し張っても個性的なものが欲しい』といったこだわりのある消費態度が強い傾向があります」
また、この層の男性はネット購買を好み、ネットでの個人間売買に抵抗が少ない。しかも、消費行動の調査では、「価格が品質に見合っているかどうかをよく検討する」というコストパフォーマンス意識が高いので、中古品やシェアを大いに利用している可能性があるという。
ただし、年収1200万円以上になると、シェア志向は次第に下がっていく。
久我さんは「それ以上の年収になると、もうコスパを意識しなくてもいい経済的な余裕が生まれるのかもしれません」と語った。(福田和郎)