「中国のアマゾン」創業者、「英語教師に戻りたい!」
ビル・ゲイツ氏の影響力は他国の経営者にも及んでいます。
先日、「中国のアマゾン」こと、中国ネット通販・アリババ集団は、創業者の馬雲(マーユン、ジャック・マー)会長が1年後に退任することを発表しました
英語教師出身のマー氏は1999年にアリババを共同創業。世界最大級のインターネット企業へと成長させた億万長者です。そのマー氏が退任を発表するにあたり、「ビル・ゲイツ」を引き合いに出してこう語りました。
There's a lot of things I can learn from Bill Gates
(ビル・ゲイツから学べることはたくさんある)
I can never be as rich, but one thing I can do better is to retire earlier.
(彼ほどお金持ちにはなれない。でも、一つだけ彼よりうまくやれるとしたら、早くリタイアすることだ)
そして、経営者の座を後任に譲り、自分は英語教師に戻る決意をした理由をこう述べました。
The world is big, and I am still young, so I want to try new things
(世界は広い、そして私はまだ若い。だから、新しいことにチャレンジしたいんだ)
ビル・ゲイツ氏は、これまでビジネス界に与えたインパクトもさることながら、社会貢献活動などさまざまな分野で他の経営者たちに影響を与えてきました。良くも悪くも「ビル・ゲイツと比べる」という風潮があるようです。ゲイツ氏の「絶対王者」の地位は、しばらくは揺るがないことでしょう。
では、「今週のニュースな英語」は、「unseat」(座を奪う)を使った表現です。「unseat」は、単に「職を奪う」というよりも、「権力の座から外す」というニュアンスを含みます。政治や経済ニュースで使われることが多いようです。
He was unseated at the general election.
(彼は、総選挙で落選した)
The company got unseated in new supercomputer ranking
(その会社は、新しいスーパーコンピューターのランキングから外れた)
The board has voted to unseat the CEO.
(取締役会は、CEOを解任する決議をした)
権力の「座」や「イス」とりゲームなど、「seat」(イス)を奪い合う表現は日英共通のようです。
それにしても、「米国イチの大金持ち」というイスに24年間も座り続けていたビル・ゲイツ氏。イスを「unseat」されてからの生き方もきっと、後生に影響を与え続けることでしょう。(井津川倫子)