その64 首長選挙、党派を隠す「無所属」での立候補 「こんなものいらない!?」(岩城元)

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「無所属」は票が集まりやすい

   いや、何もご両人だけを責めているのではない。

   知事、市長、区長、町長、村長といった首長の選挙では今や、無所属で立候補するのが当たり前である。特定の政党の公認を受けると、他の政党支持者の票が回ってこない。無所属だと、各党相乗りの推薦・支持も受けやすい。そんな思惑があるようだ。

   首長というものは、国会議員とは違って特定の政党に偏らず、広い立場ですべての住民に奉仕すべきであるから、無所属が望ましいとの説もある。

   一応はもっともな意見だと思う。ただし、今までどの政党・党派にも属したことのない人がそれを言うのなら、納得できる。でも、今はびこっているのは、無所属を名乗ったほうが、票が集まりやすそうだとの「ご都合主義」ではないだろうか。

   「自分はもともと○○党員だから、票欲しさから無所属で出るなんて卑劣なことはしたくなかった。そこで、○○党の公認で立候補した。しかし、当選した暁には党派に偏らない政治を行うつもりだ。○○党の支持者でない人も、ぜひ自分に投票してほしい」。首長選挙で、これぐらいのことが言える、腹の座った候補者が出てこないものだろうか。(岩城元)

岩城 元(いわき・はじむ)
岩城 元(いわき・はじむ)
1940年大阪府生まれ。京都大学卒業後、1963年から2000年まで朝日新聞社勤務。主として経済記者。2001年から14年まで中国に滞在。ハルビン理工大学、広西師範大学や、自分でつくった塾で日本語を教える。現在、無職。唯一の肩書は「一般社団法人 健康・長寿国際交流協会 理事」
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