「無所属」は票が集まりやすい
いや、何もご両人だけを責めているのではない。
知事、市長、区長、町長、村長といった首長の選挙では今や、無所属で立候補するのが当たり前である。特定の政党の公認を受けると、他の政党支持者の票が回ってこない。無所属だと、各党相乗りの推薦・支持も受けやすい。そんな思惑があるようだ。
首長というものは、国会議員とは違って特定の政党に偏らず、広い立場ですべての住民に奉仕すべきであるから、無所属が望ましいとの説もある。
一応はもっともな意見だと思う。ただし、今までどの政党・党派にも属したことのない人がそれを言うのなら、納得できる。でも、今はびこっているのは、無所属を名乗ったほうが、票が集まりやすそうだとの「ご都合主義」ではないだろうか。
「自分はもともと○○党員だから、票欲しさから無所属で出るなんて卑劣なことはしたくなかった。そこで、○○党の公認で立候補した。しかし、当選した暁には党派に偏らない政治を行うつもりだ。○○党の支持者でない人も、ぜひ自分に投票してほしい」。首長選挙で、これぐらいのことが言える、腹の座った候補者が出てこないものだろうか。(岩城元)