今、社長が最も認識すべき言葉「教科書を信用するな!」 その真意はどこに!(大関暁夫)

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   本庶佑京都大学名誉教授がノーベル医学生理学賞を受賞しました。注目を集めているのは当然、免疫療法によるガン治療という本庶氏の研究成果であることに間違いないのですが、同時に大いなる研究成果を得るに至った氏の哲学、あるいは信念を表す言葉もまた大変注目を集めているように思います。

   なかでも、特に注目を集め各所で取り上げられている「本庶語録」が、「教科書を信用するな!」という一言です。ノーベル賞報道直後にお目にかかった、大手企業の下請けとして長年技術開発に携わっている中小製造業のM社長も、この言葉を大絶賛していた一人です。

  • 教科書的な既成概念を捨てることは大切だけど……
    教科書的な既成概念を捨てることは大切だけど……
  • 教科書的な既成概念を捨てることは大切だけど……

開発者を「勇気づける」ノーベル賞・本庶氏の一言

「素晴らしい一言です。学校で教わることにばかりこだわっていたら、未知の領域には決してたどり着くことはない、ということ。我々ごとき中小企業でも、開発業務の端くれにいる立場からは、本当に勇気づけられる思いです。この視点は、現代の研究開発の世界ではもとより、ビジネス領域全般においても当てはまることなのではないでしょうか。氏の言葉を聞いて改めて、このIT化時代においては技術領域に限らず新しいビジネスモデルを携えてビジネスシーンに登場する若手起業家は皆、既成概念に囚われない新たな発想の持ち主ばかりであると痛感させられます。今こそ最も認識すべき言葉かもしれません」

   確かに、過去に日本の技術が世界に認められるようになった背景には、既成の技術力を日本人的な勤勉性を武器に磨きに磨いて世界最高峰を極めてきた。そんな歴史があるように思います。

   しかし、現在世界を席巻する代表格である「GAFA」と呼ばれる、Google、アップル、フェイスブック、Amazonは皆、教科書的な既成概念を捨てて新しく自由な発想からスタートすることで新たなビジネスモデルを生み出し、四半世紀前には考えもしなかった生活プラットフォームを生み出すことで、人々の生活に潤いを与えるビッグビジネスをつくり出したと言えるのではないでしょうか。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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