デキ婚、増えてる? 減ってる? 統計調査でも答えが出ない意外な理由

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「隠れデキ婚」って、どういうこと!?

   しかし...... 井上さんが意外なことを言った。「じつは、本当にデキ婚が減っているか、増えているかは、統計上見えづらいのです」。どういうことか?

   分析に使った「人口動態統計」では、出生届を元に集計している。そして、出生届には「生まれた子の父と母」について、「同居を始めたとき」の記入欄があり、「結婚式をあげたとき、または、同居を始めたときのうち早いほう」を記入するとある。

   これが「結婚から出産までの10か月未満」というデキ婚の定義の「結婚日」になるわけ。つまり、婚姻届の提出日ではないのだ。

「だから、同棲カップルが妊娠に気づいてあわてて婚姻届を出すようなケースは、同居を始めた日がかなり前になるので、私のレポートのデキ婚にはカウントされません。
婚姻届にも結婚生活に入った日(同居生活開始日)を記入する欄があり、婚姻届を提出するまでの期間に関する統計資料もあるのですが、そのデータでも婚姻届の提出まで、ひと月未満の割合は低下傾向にあるようです。婚前の同棲期間が年々長くなり、また同棲する割合も増えて、若い人を中心に同棲から結婚へという流れが広がっているためと考えられます。この結果、ますます統計上のデキ婚が見えにくくなっているといえます」

   ということは、実際は「隠れデキ婚」がもっと多い可能性があるということだろうか。ちなみに、リクルートブライダル総研が毎年実施している「結婚トレンド調査」によると、結婚を決めた理由として「子どもができたから」をあげる割合は、調査年に変動があるものの、ずっと3~5%で横バイを続けているそうだ。

   こうしたデータから井上さんは、

「統計上は見えにくいですが、デキ婚自体は減っているわけではないと思われます。増えているかどうかは不明ですが」

と語っている。

   井上さんは、デキ婚カップルや、その家族にこうアドバイスした。

「妊娠・出産や結婚が想定外のものであったとしても、新しい命を育んでいく責務が夫婦それぞれの両肩にかかっていることは事実です。子育てには多くの困難が伴いますから、カップルには、必要なときには周囲に助けを求める勇気をもっていただきたいし、ご家族やご友人も、夫婦2人の責任として突き放すことなく、サポートしてあげていただければと思います」

(福田和郎)

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