上司の知らない所で残業していた若手社員
走馬灯のように現れる加藤とのシーンに、微笑みを浮かべる上司。最後は加藤に「頑張れよ」と声をかけて送り出す上司......。感動ストーリーで終わろうとした瞬間のこと。突然、1人の若手社員が上司を突き飛ばし、床に倒した。
「勝手にいい話で終わろうとするな! なんでうちの会社、若手が次々と辞めるのか。いい加減に気づけよ!」
と絶叫して怒り出す。
この行動が引き金になり、会社内で暴れ始める若手社員たち。コピー機が破壊され、机をひっくり返され、書類が宙に舞う。その様子をスーパースローで描きだす。BGMは賛美歌「荒野の果てに」をアレンジ。軽やかだが、どこか重苦しい。
じつは、若手社員たちは上司の知らないところで、毎日深夜まで残業していたのだ。その悲しい姿が映し出され、テロップが流れる。
「中小企業の73.7%が人手不足を感じている」
「人手不足を残業などの業務過多で解決する中小企業が60.7%」
「中小企業の新入社員の52.4%が3年以内に辞める」
そして最後に、
「会社が崩れる前に、ITツール導入で会社と社員の負担を減らす」
という文字がアップで流れる。
人材不足問題を、残業などの業務過多で対応する中小企業に、「残業の強制ではなく、ITツールの導入を促進して生産性向上を目指して欲しい」という中小機構の強いメッセージが込められている。
この動画にネット上では、
「予想外の結末。人は財産。これからの時代は社員を大事にする企業が伸びる」
「最後までサイトで動画を閉じるな。この広告は二度はじまる」
「つ...ついにこういうCM作ったか...中小機構」
と、称賛の声が寄せられている。(福田和郎)