2019年春に大学を卒業する、平成最後の内定者に「理想の上司像」を聞いたところ、「プレーヤーとしての能力に秀でている」ことや、「自分の目指したいロールモデルである」ことが上位につけた。ランスタッド(東京都千代田区)の研究機関であるランスタッド・リサーチインスティテュート(RRI)が2018年10月2日、理想の上司・理想の職場」調査を発表した。
調査は、「働き方改革」真っ只中のビジネスパーソンにも聞いており、時代の変遷のなかで求められる「働き方」の理想と実態のギャップを明らかにした。
上司への期待、内定者「親しみやすく相談しやすい」
「上司に期待すること」を聞くと、ビジネスパーソン、内定者ともに「正当な評価をしてくれる」が1位だったが、内定者は同率で「親しみやすく相談しやすい」も1位となった。
一方、ビジネスパーソンは「適切なアドバイスをしてくれる」が2位。さらに、上位ではないものの「経営層や上司にも意見してくれる」ことが、内定者より16.1ポイント多かった。反対に、「キャリアを気にかけてくれる」ことに対しては、内定者がビジネスパーソンより12.7ポイント多かった。
RRIは、働いているからこそ感じるビジネスパーソンの「リアル」な期待と、内定者の「感情論」の期待から出るギャップであると推察している。
(ランスタッド・リサーチインスティテュート調べ)
また、「理想の上司像」では、1位はビジネスパーソン、内定者とも「人として尊敬できる」だったが、2位はビジネスパーソンが「決断力がある」、内定者は「仕事への熱意がある」となった=別表参照。
また、内定者の5位には「プレーヤーとしての能力に秀でている」(24.7%)、6位に「自分の目指したいロールモデルである」(23.8%)との回答が続き、ビジネスパーソンに比べて10ポイント以上多かった。ここでも「実務的なメリットを享受したい」ビジネスパーソンと「より感情的な部分を求める」内定者とに別れた。
RRIは、「こうした結果は時代の変遷によるものではなく、実際に働いてみると、上司に求めるものが変わってくることが現れている」と推察している。
一方、上司の年齢は、ビジネスパーソン、内定者ともに「同い年もしくは年上がいい」が最多。ビジネスパーソンが89.4%、内定者が96.1%だった。
「年上がいい」理由は、ビジネスパーソン、内定者ともに「自分よりも経験があるから」が1位。2位は「年上からの指示のほうが受け入れやすいから」。「それが社会の通例だから」は、意外にも内定者がビジネスパーソンの約2倍の割合となった。