株式会社ディスコ(東京都文京区)は2018年10月2日、2019年卒の理系学生(大学院修士課程含む)の就職活動に関する調査データの中から主なものを抜粋して特徴を分析し、結果を発表した。
文系学生と比較しての就職活動量、専攻分野(機械・電気系/情報系/化学・農学・薬学系)ごとに異なる内定率、就職決定業界などが明らかになっている。
「情報系」は5月1日時点で内定率6割
まず、就職活動量について調査した。項目は「エントリー」「企業セミナー」「エントリーシート」「面接試験」「工場見学」「研究所見学」の6つ。今年8月時点では、文系の回答数がなかった「工場見学」「研究所見学」以外のほぼ全てにおいて理系は文系より活動量が少なく、企業を絞って動く傾向にある。
専攻分野別にデータを見てみると、機械・電気系は「エントリー」「企業セミナー」「エントリーシート」「面接試験」のいずれにおいても応募している社数が最も少なく、理系全体の平均値を下げている。一方、化学・農学・薬学系は「企業セミナー」「エントリーシート」「面接試験」の各項目の数値が、理系全体で最多となった。ただし実際に「エントリー」した社数は情報系が最多(30.2社)で、機械・電気系の約2倍という結果を示している。
内定率の推移については、全体傾向として理系の内定獲得のペースが速いことがわかった。6月時点で文系が62.7%であるのに対し、理系全体で70.3%と7割を超えていた。
中でも特に情報系は早期に内定を獲得している。4月1日時点で3割を超え(32.3%)、5月1日には既に6割に達していた(60.0%)。一方、化学・農学・薬学系は内定率が理系の中で一定して最も低く、5月までは文系を上回っているものの以降は逆転されている。
専攻分野と関連のある業界への就職が多数
調査では、就職が決まった業界についても聞いている。機械・電気系は1位が「電子・電機(21.1%)」、2位が「自動車・輸送用機器(18.3%)」で、情報系は「情報処理・ソフトウエア・ゲームソフト」に4割強が集中(44.2%)。化学・農学・薬学系は、1位「素材・化学(14.6%)」、2位「医薬品・医療関連・化粧品(13.5%)」になるなど、いずれも専攻分野の強みを生かせる業界が上位を占める結果となった。