葬儀、小型化がトレンド じわり伸びる業者の売り上げ

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   葬儀業者の2017年度の売上高は9115 億2600 万円となり、前年度と比べて1.0%の増収となった。帝国データバンクが葬儀業者のうち、2014年度~2017年度決算の年収入高が判明した2163社の収入高合計を比較した。2018年9月27日の発表。

   死亡者数と比例して葬儀件数は増加しているものの、核家族化による家族葬の需要拡大。参列者数の減少や祭壇の簡略化など、葬儀の小型化がトレンドとなっている。

  • 家族葬が増えている
    家族葬が増えている
  • 家族葬が増えている

葬儀費用の平均は約200 万円

   厚生労働省の人口動態統計によると、2017年の死亡者数は約134万人超となり、2000年比で約38万人増加。10年以降、死亡者数の増加が続いており、葬儀業者への需要拡大が見込まれる。

   その半面、大家族から都市部の核家族へ家族形態が変化。また、未婚や熟年離婚、跡継ぎがいないことを背景に、高齢者の単身世帯が増加傾向にある。葬儀は生前に親交があった人が参列する「一般葬」が根付いていたが、ここ数年で「家族葬」や葬儀を省略し火葬のみ行う「直葬」のシェアが拡大。生前に人生の最期を考える「終活ビジネス」や「エンディング産業」が注目され、生前葬をはじめ、海洋散骨や樹木葬など葬送が多様化している。

   大手葬儀業者によると、地域差や葬儀の規模によって異なるが、葬儀にかかる費用の平均は約200 万円とされる。

   「一般葬」の場合、首都圏での平均単価は約150万円で、「家族葬」であれば約100万円以下が多いという。首都圏はほかのエリアに比べて地価と比例して割高で、東京、埼玉、神奈川では火葬場が民間の地域があり、金額差が出るケースもある。

   また、近年では葬儀費用1000万円を超える社葬が大幅に減少しているほか、流通大手のイオンが葬儀ビジネスに参入したことをきっかけに、異業種からの新規参入が相次ぎ、競合が激化している。大手業者が低価格化に踏み切ったことで、価格競争が厳しさを増して受注単価が下落している。

   収入高規模別でみると、「100 億円以上」が約1880億9600万円となり、前年度比5.6%の増加。一方、「1億円未満」の小規模事業者は、家族葬に特化する業者が増えているものの、大手業者の新規参入によって受注単価が下がった影響で、減収となった企業が散見された。

(帝国データバンク調べ)

 

   なお調査は2014年度から2017年度まで4期連続で決算の年収入高が判明した葬儀業者2163社を抽出して分析した。

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