取次業者、出版社の「直接取引」の拡大に募る危機感
さらに、出版取次や書店経営の2528社を「都道府県別」にみると、「東京都」が362社(構成比14.3%)でトップ。次いで「北海道」の130社(5.1%)、「大阪府」の118社(4.7%)と続く。出版取次、書店経営それぞれの業種で「東京都」が100社を超えた。
出版不況と言われて久しいが、紙から電子書籍への移行が顕著になり、出版取次や書店経営は厳しい状況が続いている。加えて、出版社のKADOKAWA(東京都千代田区)が出版取次を介さない書店との直接取引を拡大させるなど、新しい取り組みを開始。大手出版社を中心にこの動きが広がれば、出版取次は大きな打撃を被る。
一方、書店経営は大手を中心に無人レジの導入による人件費の削減や、文房具の販売やカフェの併設などの複合型店舗の導入で客足の増加を図り、かつ雑誌の販売・広告収入に頼らない、新しいスタイルの書店づくりに活路を拓こうとしている。
なお調査は、帝国データバンクの企業概要ファイル「COSMOS2」(約147万社収録)から、2018年8月時点での出版取次業者と書店経営者の2528社を抽出。総売上高動向、企業実態などを分析した。