彷徨う為替市場、次の大きなテーマはなにか?(志摩力男)

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年後半、円相場の動きは......

   しかし、為替マーケットは今ひとつ動きません。このままだと、年間最低レンジ幅を更新しそうな状況です。では為替マーケットの、次の大きな材料は何があるのでしょうか。

   すぐに思いつくのは米中間選挙です。しかし、これを為替マーケットの材料とするには少し「苦しい」。トランプ政権、トランプ政策の是非が問われるのでしょうが、トランプ政権下で為替市場は動きませんでした。

   トランプ氏自身は低金利でドル安志向なのでしょうが、それがあからさまな形で為替市場に反映されることはありませんでした。よって、共和党、民主党のどちらが勝ったとしても、大きな変化はなさそうです。

   現状の予想では、下院は民主党が勝ちそうですが、上院は1/3のみ改選なので、民主党が共和党に勝つのは難しい。よって、もっとも有り得そうな結果は、下院が民主党、上院が共和党という結果です。上院と下院が割れれば、選挙後は法案を通すことは難しくなるでしょう。

   もう一つ考えられるのは、BREXIT関連です。英国がどのような形で欧州連合(EU)を離脱するのかで、こちらのほうはマーケットが動きそうです。

   「合意付きの離脱」となれば、その合意内容にもよりますが、市場はポジティブに感じるでしょう。ポンドは少し上昇するはずです。ポンド円で2~3円程度でしょうか。反対に、「合意なしの離脱」となれば、マーケットは大荒れ必至です。ポンド円で5円、タイミング次第では10円ぐらいの動きになりそうです。

   一方、貿易戦争が始まっても円高にならなかったのですから、やはり将来的には円安になる可能性のほうが高いのではないでしょうか。日本の経常収支の黒字は大きいですが、M&Aなどのフローは着実に出ており、インターネットでは円売りのほうが大きく感じます。

   2018年後半は円安方向の動きに注意したいと思います。(志摩力男)

志摩力男(しま・りきお)
トレーダー
慶応大学経済学部卒。ゴールドマン・サックス、ドイツ証券など大手金融機関でプロップトレーダー、その後香港でマクロヘッジファンドマネジャー。独立後も、世界各地の有力トレーダーと交流し、現役トレーダーとして活躍中。
最近はトレーディング以外にも、メルマガやセミナー、講演会などで個人投資家をサポートする活動を開始。週刊東洋経済やマネーポストなど、ビジネス・マネー関連メディアにも寄稿する。
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