「目的を理解していれば必ず正しい売り方ができる」
目標と目的の違い。競泳におけるタイムは目標、遠泳における到達先は目的地です。遠泳は競争相手に勝つという目標も大切でありながら、目的地に到達するという本来の目的を忘れては競技にならないという点に、永野氏の大きな学びがあったのでしょう。
「保険会社も数字ばかりを意識するようになってしまえば、不祥事を起こしたり売らなくていいものを売ったりすることになります。困っている人のところに早く駆けつけて保険金を支払い安心してもらう、という保険会社本来の目的を理解していれば必ず正しい売り方ができるわけです」
目標に追い立てられ不祥事に追い込まれた多くの企業には、耳の痛いことでしょう。企業規模にかかわらず、常に自社事業の目的はなんであったか、社員が常にそれを忘れずに日々の業務に邁進すること、それが不祥事を未然に防ぐ一番の方策なのかもしれません。(大関暁夫)