2018年の株主総会に出席した株主は1社当たり平均216人で、前年と比べて21人減ったことが、東洋経済新報社(東京都中央区)の調べでわかった。9月14日発売の「会社四季報2018年秋号」で公表した。全上場企業に対して18年の定時株主総会について調査した。
株主総会にかかった所要時間は、平均57分で前年(56分)とほぼ同等だった。
お土産「もう配りません」相次ぐ
調査は、全上場企業3715社が対象。有効回答企業は2146社(回答率58%)だった。東洋経済新報社によると、株主総会の出席者数が減った背景には、出席者に配るお土産をやめる企業が増えていることがあるようだ、とみている。
個人投資家が多い株主総会の出席者に対して、お土産を用意する上場企業は多く、回答企業の約7割が実施していた。しかし、その数は減る傾向にある。
お土産をなくす上場企業はその理由を、会場から遠方に在住するなど出席できない株主との不公平感をなくすなどとしているが、お土産をやめた企業の出席者数は大きく減る場合が多くみられるという。
2018年からお土産をやめた企業をみると、時計用スタンドなどを配っていたコマツの出席者が17年の2320人から993人に、お菓子などを配っていたKDDIは2316人から706人に、いずれも大きく減少した。そのほか、三菱商事や第一生命ホールディングス、アステラスなどの100社が「今年からお土産をやめた」と回答した。
お土産の相当額も調査。最も多かったのが1000円相当の396社で、5000円相当以上も10社あった。気になる、お土産の内容は菓子やクオカード、自社商品が中心だった。
ただ、株主総会の出席者が大幅に減少する要因は、お土産の廃止だけではない。例年どおり化粧品などのお土産を配ったファンケルの出席者数は、前年より1965人減少(出席者数は3609人)したが、これは株価上昇に伴い保有株を売却する動きが強まったことで個人株主数そのものが減ったためとみられる、としている。