「怒り」の制御は難しい 感情を管理できない社長に会社経営は向いてない!(大関暁夫)

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社長が怒りをぶちまけたら......

   同じようなシーンをプロ野球でも見たことがあります。2016年のプロ野球日本一を決める日本シリーズ、広島対日本ハム戦。2勝2敗のタイで迎えた第5戦は同点のまま、9回裏日本ハムの攻撃は二死1、3塁。この緊迫の場面で投手の一投はなんとデッドボール。両軍グラウンドに入り乱れあわや乱闘かという騒ぎに。

   この時、一人冷静だったのがネクストバッターの西川遥輝選手でした。怒る日ハムベンチに対して、帽子をとって詫びもせず対抗意識むき出しの相手投手。対照的に西川選手は、喧騒に背を向けて集中力を高めていたと言います。

   結果は、冷静さを保った彼の満塁サヨナラ本塁打で決着。広島2連勝でスタートしたシリーズの流れは一変し、続く第6戦も日本ハムが勝利して日本一に輝きました。

   重要な局面で冷静さが求められるのは、企業経営でも同じです。銀行時代の取引先だった機械部品メーカーB社のH社長。ある日突然、老舗企業からの大口安定受注を他社に奪われ取引解消となりました。「なぜうちが切られたのか、納得がいかない」と、冷静さを失い怒りをぶちまける営業部長の話を聞くうち、それに同調して興奮した社長はその場で受話器を取ると、電話でヤクザまがいの強硬なクレームを受注先の社長にぶつけてしまったのだそうです。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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