社長の「地元率」 沖縄県が8年連続トップ
地元出身者が地元企業の社長を務める、社長「地元率」は、沖縄県が92.9%(前年94.1%)で8年連続トップとなった。離島の地理的条件のほか、産業構造が公共投資や観光、基地の「3K」に依存。かねて「製造業の不毛の地」ともいわれてきた。他県からの企業進出が少なく、雇用の受け皿も不足するなか、近年は観光関連を中心に好調な景気を背景に、開業率が高いという。
沖縄県に次いで、愛知県の89.5%、北海道87.9%、広島県87.1%と続く。愛知県や広島県は地域の中核都市と同時に、自動車産業など基幹産業の取引先や関連企業などですそ野が広く、下請け企業なども先代の跡を継いだ同族社長が多い。
その一方で、「地元率」が最も低かったのは鹿児島県の63.8%。次いで奈良県の66.7%、長崎県67.7%、兵庫県68.4%と続く。全国平均は79.7%で、21道府県で平均を上回った。
東京商工リサーチは、政府は「地方創生」を主要政策に掲げるが、少子化と高齢化の同時進行で人口減少が止まらない地域が多い。地方と大都市の経済格差は、縮まるまでに至っていない、としている。
なお調査は、今回が8回目。東京商工リサーチの企業データベース約480万社(個人企業を含む)から、公開された出身地を抽出(複数企業で社長を務めている場合、売上高の大きい企業を優先した。対象外企業は22万1819社)して集計した。都道府県別の社長数は人口に左右されるため、都道府県別の出身社長数と人口(総務省「人口推計」2017年10月1日現在)を対比。社長「輩出率」を算出した。