トランプ相場がもたらした「変動幅8.83円」の現実
これでは、誰が本当の大統領なのか、さっぱりわかりません。トランプ大統領は、発言も多いし、ツィッター上でもたくさんツィートしますが、今後、彼の発言の多くは無視していいわけでもないでしょう。
先日も、日本との貿易赤字を問題視し、解決出来なければ大変なことになると大統領からツィートされましたが、気にしなくてよいのでしょうか。対中国2000億ドルの経済制裁関税第3段の発動に対して身構えていますが、政権内の「抵抗者」が発動を阻止しようと頑張っているのでしょうか。
トランプ大統領の激しい発言にも関わらず、ドル円相場は2017年も、18年も動いていません。いや、発言が激しいからこそ、動けないといえます。
どこまで実現可能性があるのか、トランプ大統領の言葉だけだと、さっぱり信頼できないからです。今年のドル円のレンジは高値113.39円、安値104.56円とわずか8.83円。過去、どんなに動かない年でも10円は動きましたし、変動相場制以降、平均年間レンジは27円、変動率で見ると16.95%です。
米政権はトランプ大統領の激しい発言があったとしても、Two-Track Presidencyであり、ちゃんとした方向に動くとわかれば、動きやすいかもしれません。今年も残すところ約3か月半ですが、このままだと過去最低レンジのままで終わります。
とはいえ、そうならないとするならば、ドル円は113.39円以上か、104.56円以下に下落することになります。
現在のドル円相場を見ていると、そのどちらもかなり離れているように見えますが、今後は米中間選挙もありますし、あと3か月半、相場は動き出すのではないかと期待しています。(志摩力男)