「Two‐track presidency 」(ツーコース大統領制)の衝撃!(志摩力男)

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   ニューヨーク・タイムズが掲載した、トランプ政権高官による匿名投稿が注目を集めています(I am part of the resistance inside the Trump Administration 私はトランプ政権内部の抵抗者です)。

   トランプ政権内では、誰が書いたのかと犯人探しが始まっていますし、かつてのトランプ大統領の盟友スティーブ・バノン氏は「これはクーデターだ」「国家制度に対する直接攻撃だ」と発言しています。

  • 米共和党はトランプ大統領を「制御」できるのか!?
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匿名投稿は米共和党への戒めか?

   しかし、米政権内にはこうした状況があるのではないかということは、前から推測されていました。トランプ大統領が本当に好き放題した場合、大変なことになるのは目に見えています。周りの大人が、大統領を上手にコントロールしてきたのでしょう。

   トランプ大統領は問題かもしれません。だが、共和党が大統領ポストを得るため、ヒラリー・クリントンという強敵を倒すため、彼が必要だったわけです。その結果、上下両院、そして大統領ポストも共和党が抑えたからこそ、歴史的な税制改革、規制緩和、軍事力強化が進みました。

   ただ、どうしてこうした匿名記事が、中間選挙前という大事な時期に出てきたのか。ここがよくわかりません。一見、共和党には不利な材料です。しかし、共和党内の大人がしっかりトランプ大統領を管理するので安心して欲しい、というふうには読めます。

   政権の外に発せられる言葉と、政権内は違うということです。だから、安心して共和党を支持して欲しいと。ただ、それを象徴した 「Two-track Presidency」(ツーコース大統領制)という言葉は衝撃的です。

志摩力男(しま・りきお)
トレーダー
慶応大学経済学部卒。ゴールドマン・サックス、ドイツ証券など大手金融機関でプロップトレーダー、その後香港でマクロヘッジファンドマネジャー。独立後も、世界各地の有力トレーダーと交流し、現役トレーダーとして活躍中。
最近はトレーディング以外にも、メルマガやセミナー、講演会などで個人投資家をサポートする活動を開始。週刊東洋経済やマネーポストなど、ビジネス・マネー関連メディアにも寄稿する。
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