トランプ相場に悪戦苦闘の1年 堂々の1位に慶応大・石油王!(FX大学対抗戦 最終結果)

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   為替相場を左右するのは、政治情勢や経済指標だけでない。地政学リスクや今後の金融政策をどうしていくか。その舵取りを担う政治家や中央銀行らの要人発言に、これほどまでにピリピリした1年はあっただろうか――。

   米国の保護主義的な政策にはじまり、中東情勢や北朝鮮の核・ミサイル問題、「メキシコの壁」や、中国や欧州との貿易摩擦と、どれもトランプ米大統領の「仕業」と言ってもいいかもしれない。まさに「トランプ相場」に翻弄され、悪戦苦闘した1年を、早稲田大学の惟光、明治大学のRW、慶応大学の石油王が振り返った。

  • 慶応大が、ひとり勝ち!
    慶応大が、ひとり勝ち!
  • 慶応大が、ひとり勝ち!

損切りで躓いた明治大と早稲田大

   慶応大の石油王が堂々の1位に輝いた。2017年10月6日に1万円(基準値)を割る、9818円を付けたが、10月27日に1万円台に戻すと、18年5月27日に1万2848円まで上昇した。相場の動きを注視してデイトレードで小刻みにプラスを重ねる堅実さは、FX取引の経験をうまく生かした手腕が成せるワザなのかもしれない。

   好スタートを切ったのは、明治大のRWだった。初心者とは思えない取引ぶりだったが、9月7日の1万3130円をピークに、油断したのか損切りにあい、崩れた。翌週の9月14日には52.7%減の6206円と大きく躓き、これが最後まで響いた。とはいえ、今年(18年)に入っての猛追はスゴかった。5月25日には9697円まで戻し、9675円で終えた。

   早稲田大の惟光は、ローソク足にこだわりながら、じっくり考えてコツコツ仕掛けるタイプ。なかなか思うような相場の展開にならなかったようだ。8月29日に1万円を割る(9674円)と、4月には8806円にまで落ち込んだ。2か月間ほど立て直しに苦しんだものの、6月には9000円台に乗せた。フィニッシュは9206円。もうひと押しが足りなかった。

損切りが明暗を分けた......
損切りが明暗を分けた......

早稲田大・惟光の手応え FXに応用! 株の「うねり取り」

   FX取引をこうして綴ってきたが、時間が経つのは早いもので、もう1年が過ぎようとしている。今日に至るまでいろいろな取引手法を学んでは実践し、昨年の今頃より、ひと回りもふた回りも投資に対して理解を深められたと思う。

   この1年の前半は、特にロウソク足の並び方や世間を騒がすニュースなどを参考に取引してきた。自分で設定した損切りラインにかかってしまうことが多く、「失敗が多かったなぁ」と反省している。

   大局的な数か月にまたがるトレンドを意識せず、短期的な時間幅のその中でも直近の数本のロウソク足にしか注意していなかった。振り返れば、そのために読みが浅くなり、損切ラインが不適切になってしまったと考えている。

   年後半は、3の倍数月にわたって形成されるうねりを意識した売買手法である「うねり取り」を実践してきた。株の売買手法について、林輝太郎氏が執筆された「うねり取り入門―株のプロへの最短コース」(同友館刊、1998年)を読み、触発されてFXにも応用できるのではと思い実践してきた。

   まだまだ私の技術不足で改善することが多いが、この手法と理論は初心者にもわかりやすく、自分もうねりに乗ることができた。今後もさらに勉強を重ね、この手法を極めていきたいと思っている。

   FXを1年間継続して、1番うれしかったことは、自分で勉強したことが実際の利益になる瞬間であった。これまでは勉強した知識がお金になるという経験をしたことがなかった。こうした投資の知識が私に利益をもたらし続け、人生を豊かにしてくれると信じている。これからも、投資を勉強し、実践し続け、より高度な投資家へと成長したい。

明治大・RWの奮起 知識と経験の「両輪」で伸ばすFX

   2年生の8月頃から、レポートを書き始めた。最初の頃のトレードは移動平均線や新聞で経済状況などをみて、なんとなくトレードを繰り返していた。おそらく、あれがビギナーズラックなのだろう。最初は資金が大きくプラスに動いていた。

   しかし、その頃、北朝鮮のミサイル報道があり、相場を読み間違えて大きく損をしてしまい、資金が半分ほど減ってしまった。正直、焦った。

   そこからだ。FXの勉強を重ねていろんな知識や手法を知り、少しずつだが資金が回復していった。けれどもインターネットや本の情報だけでは思ったとおりにはうまく行かなかった。「相場は生きもの」といわれるが、本当だった。ただ、取引を続ける、経験が身になっていくように感じてもいる。

   18年度に入ってから、7月以降はインターンなどの就職活動で取引回数が少なくなった。最終的にはマイナになったがこれからまた時間ができたら、投資のほうを再開していきたいと思っている。

「勝ち組」慶応大・石油王の学び 「ひたすら待つことも大事」

   FX大学対抗戦を開始する以前も為替の取引経験はあったが、それまではドルだけではなくユーロやポンドといったさまざまな通貨のチャートを同時に観察して値動きがありそうなペアを見つけ、発注から決済までは数日から数週間というペースで取引していた。 そのため、取引可能な通貨ペアがドル円だけという制約の中で、新しくトレード手法を確立する必要があった。

   取引の日記を付けていたこの1年間、つまり2017年8月から2018年8月までは、2016年8月から2017年8月までと比較してかなり小刻みな値動きを続けていたことがわかる。

   具体的には、2017年8月は110円24銭で開始し、2018年8月には111円07銭で終了した。また、この間の高値は2017年11月の114円72銭、安値は2018年3月の104円63銭であった。年間を通しても値幅は約10円にすぎない。

   2016年にはトランプ氏の米大統領当選の11月だけで13円以上もの値動きがあったことを考えると、直近の1年間は非常に値動きに乏しかったことがいえると思う。この1年間に大学4年生に進級し、就職活動で証券会社の株式運用部門を受けたのだが、そのトレーダーから聞いた話はドル円相場と連動することが多い日経平均株価の先物トレーダーもこの1年間は非常に厳しい戦いを強いられたということだった。

   そうした相場環境を通して学んだことは、チャンスでないときはひたすら「待つ」ことも大事である、という教訓だった。

   トータルで収益を大きくするためには、大きく勝つことも大事ではあるが、それと同様に大きく負けないことも大事なのである。

   伝説の投資家、ジョージ・ソロスの名言に、「生き残れ。儲けるのはそれからだ」というものがあるが、まさにそのとおり! だと思った。この1年間で、あらかじめ決めた損切りルールを破ったことは一度もなく、潔く損切りできたことは誇れることだと思う。

   何より、決して順風とはいえない相場環境の中で、トータルが利益で終われたことは、何よりも幸いだったと思う。

   【1万円からはじめる為替バトル FX大学対抗戦、いよいよ3期目が開幕します!】

   1万円からはじめる為替バトル「FX大学対抗戦」は、2018年10月から3期目に入ります。早稲田大学、明治大学、慶応大学に加えて、新たに一橋大学と國學院大學の2大学が加わり、さらに熾烈なバトルを繰り広げていくことになりました。早くも腕を撫す、参戦の5大学。乞う、ご期待です!

   3期目のFX大学対抗戦を、どうぞよろしくお願いいたします。

プロフィール
早稲田大学 惟光
早稲田大学文学部2年、埼玉県出身。尊敬する人は、「投資の神様」ウォーレン・バフェットに紫式部! 旅行や写真が大好きで、サバの竜田揚げも大好き。 将来は「チャンスを平等にすることがしたい!」という。これまでFXはスキャルピング(ポジション保有後、短時間の内にわずかな価格変動から儲ける方法)で取引していたが、最近はスイングトレードに転向した。仮想通貨の取引も始めるなど、投資への関心は強く熱い。
明治大学 RW
明治大学総合数理学部2年、長野県出身。好きな歌手は、乃木坂46。趣味は映画観賞や乃木坂46が出ている番組の視聴で、週末などに楽しむ。将来は、IT系の仕事に就きたいと考えているが、今は単位を落とさないようにするのに必死。(笑)株式投資からスタートし、最近はビットコインを少々カジッたところ。為替相場は株式投資にも影響する大きな材料。FX投資はデモ口座でやったことがある程度だが、大学対抗戦となれば、話は別。経験を積みながら、トップを狙う。
慶応大学 石油王
慶応大学商学部3年、京都府出身。好きな歌手はCHEMISTRY。将来は証券ディーラーになりたい! 小学生のとき、父のFX投資を間近に見ていたことをきっかけに、為替に興味を持つ。中学1年のときのリーマンショックで怒涛の円高を目の当たりにし、この時に円を売っていれば大儲けできたのではないか、と気付いたという筋金入りのFX投資家。現在はテクニカル分析と呼ばれる、チャートの形状を判断材料としてトレードする手法を研究中。為替相場の世界で大成功を収めることを夢見て、日々精進中という。
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