やっと秋らしい涼風が吹き始めてきたが、「秋にこそ大掃除シーズンに!」を日本の新常識にする動きが起こっている。寒くてあわただしい歳末に行なうより、はるかに効果があがるということのようだ。
「掃除・片づけ・生前整理」代行業のアップフィールド(千葉市)が2018年8月29日、ホームページで「秋の大掃除」キャンペーンを開始。「そうじの女王」として多くのメディアに登場している、そうじコンサルタントの上原好志子(よしこ)さんによる「秋の大掃除」のメリットとテクニックを動画などで紹介している。
「そうじの女王」が伝授する便利な掃除グッズの数々
「秋」といえば、食欲・スポーツ・読書のシーズンと言われるが、じつは「大掃除」に最適な季節だ。寒すぎず暑すぎない秋に大掃除を済ます人が今、増えているという。 歳末よりも秋がいい理由は、
(1)蒸し暑い夏の時期に繁殖したカビや雑菌を、時間を空けずに取り除くことができる。
(2)暑すぎず、寒すぎない秋は、体を動かしやすい。
(3)何かと慌ただしい年末に比べ、掃除に費やす時間をたっぷり確保できる。
(4)大掃除は、カビの発生源になる換気扇付近や台所・風呂場などの水回り、結露ができる窓を重点的に行なう必要があるが、冬には冷たい水回りや、寒い窓の外側の作業が秋にはラクにできる。
ことなどがあげられる。
確かに、こうしてみていくと、「秋の大掃除」は理にかなっているが、具体的にはどうしたらいいのか――。
日用品を活用して「便利な掃除グッズ」を作ろう!
上原さんは、こんなテクニック・裏ワザを披露している。
・便器周辺の汚れ・ニオイは、ペット用おそうじシートを使用。
・便器と床のつなぎ目の汚れ防止に、マスキングテープをあらかじめ貼る。
・シンクの排水溝のぬめり・細菌防止は、小さく丸めたアルミホイルを入れる。
・キッチン内の殺菌・抗菌は、パスタやうどんの茹で汁を活用。
・換気扇のほこり防止は、ぬるま湯に少量のリンスを混ぜて塗る。
・浴槽の下の掃除は、車の洗車用ブラシが便利。
・浴室・洗面所の鏡の水垢防止は、車用透明ワックスを塗る。
・浴槽の皮脂汚れは、洗剤をつけたみかんネットでこすり落とす。
・窓ガラスや網戸の汚れは、ボディータオルがオススメ。
といった具合。便利なアイデア多数ある!
トイレ・台所・浴室・窓周辺が4大スポット
秋の大掃除は、汚れやニオイの原因になりがちな水回りを中心に、「トイレ」「キッチン」「浴室・洗面所」「窓周り」の4か所を、重点的にチェックする。
(1) トイレ独特の嫌なニオイの元は、便器周辺の「壁」にある。
飛び散った尿やニオイが染みつき、気付いていない人が多いからだ。他にも、掃除ブラシにこびりついた汚れ、隙間や凹凸があって掃除しにくい便器と床のつなぎ目もチェックポイントだ。そこで「見えない汚れ」を取り除く裏ワザは――。
・酸性の洗剤を、ふきんにスプレーして拭く。
・壁に直接スプレーする場合は、床に近い下の方から噴射し、液だれ防止に。
・凹凸のある壁紙は、ブラシなどで汚れを掻き出してから拭き掃除をする。
・トイレブラシの汚れ、ニオイは、空の2リットル・ペットボトルの上部をカットし、酸素系漂白剤を入れて漂白。そのまま捨てられる。
・洗面ボールの黒ずみは、サンドペーパーを活用。
・便器周辺の汚れ・ニオイ対策には、ペット用おそうじシートが、大判で厚みがあり、アンモニア臭対策にもなりオススメ。
・便器と床のつなぎ目汚れ防止は、マスキングテープをあらかじめ貼り、汚れたら剥がす。
(2)「キッチン」は汚れの性質により洗剤を使い分けるのがコツ。
毎日使うキッチンは、こまめに掃除しているつもりでも、いつの間にか汚れている場所の代表格だ。1種類の洗剤を使い回していないか? 普段の食器洗いには「中性」、水垢には「酸性」、油には「アルカリ性」と、汚れの性質に合った洗剤を使い分けると、掃除の効率がグッと上がる。
・「換気扇」の油汚れは、寒いほど落ちにくいので秋にキレイにしておく。 ・ニオイや汚れの大元となる場所(換気扇・排水溝)をしっかり掃除する。
・シンクの排水溝のぬめり・細菌防止は、小さく丸めたアルミホイルを入れる。
・排水溝の汚れは、重曹と酢を混ぜて入れると発泡し、内側に付いた汚れが浮き上がる。その後、熱湯で洗い流す。
・換気扇のほこり防止は、ぬるま湯に少量のリンスを混ぜて塗ると、静電気を抑える効果で埃がつきにくい。
・キッチン内の殺菌・抗菌は、パスタやうどんの茹で汁がサポニン(界面活性剤)を含むため活用。(大掃除の日のランチは、パスタやうどんがオススメ!)
夏の水回りは、カビが繁殖しやすい!
(3)「浴室・洗面所」は浴槽エプロン内側を重点的に。
家族が毎日使う場所のガンコな水垢汚れがなかなか取れない場所だ。家族が毎日使う浴室・洗面所は、秋の大掃除でキレイにしてほしい場所のひとつ。石鹸カスや床の皮脂汚れなどを一気に落とし、汚れ防止対策も万全に行う。
・浴槽のエプロン(前面パネル)の内側が汚れの発生源。
・長雨や台風が多い夏の水回りは、特にカビが繁殖しやすい。
・夏は裸足で歩くため、皮脂汚れで床に黒ずみが付着しがち。
・浴槽下の掃除は、車の洗車用ブラシが便利。長くて柔らかい毛先が、狭い隙間の奥まで届くので、掃除がしやすく、キズも付きにくい。
・浴槽のエプロンの内側にこびりついた水垢は、お酢で洗い流す。
・皮脂汚れは、洗剤をつけたみかんネットでこすり落とす。
・浴室・洗面所の鏡の水垢防止は、車用透明ワックスを塗る。
(4)「窓周り」は、屋外作業が多く、秋がベストシーズン。
外から流れてくる埃や砂、空気の汚れが直接付着する窓ガラスや網戸は、夏場には開閉する機会も多く、足元のレールの部分にも埃が溜まりがち。まだ暖かい秋のうちに掃除しておくのがオススメだ。
・窓ガラスや網戸の汚れは、表面に凹凸があるボディータオルがおすすめ。3本に切って三つ編みにして使うと、持ちやすく、強度も高くなる。
・レール部分の汚れは、歯ブラシで掃き出す(水で流すのは、蒸発した時に埃が固まってこびりつくのでNG)。
・掃除してキレイになったレール部分の汚れ防止は、マスキングテープを貼っておくと、汚れたら剥がして、貼り替えるだけなので便利。