その61 公共施設の「外来語風」の名前 「こんなものいらない!?」(岩城元) 

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   僕の住む市に3年ほど前、1700席の大ホールなどを備えた立派な「複合施設」ができた。県と市が共同で造ったもので、地上5階、地下2階。多目的ホールや会議室、県税事務所、教育事務所、市民相談室なども入っている。

   それはそれでいいのだけど、気に食わないのは、その施設の「ウェスタ○○」という「外来語風」「和製英語風」の名前だ。なお、○○は市の名前なのだが、自分が住んでいる市にケチをつけるのも気が引けるので、名を伏せた。

  • 本来の「公共職業安定所」よりも「ハローワーク」のほうが大きな顔をしている。(東京・池袋で)
    本来の「公共職業安定所」よりも「ハローワーク」のほうが大きな顔をしている。(東京・池袋で)
  • 本来の「公共職業安定所」よりも「ハローワーク」のほうが大きな顔をしている。(東京・池袋で)

「ウェスタ○○」って、何だ?

   〇〇市の説明によると、この施設はJRや私鉄の駅の西口にあるので、まずは「WEST(西)」、そして、さまざまな市民活動がここから始まるという意味の「START(スタート)」を組み合わせた造語だそうだ。

   でも、なんで、公共施設にこんな名前をつけるのだろうか? 

   この施設は正式には県側が「△△県西部地域振興ふれあい拠点施設」、市側が「○○市文化芸術振興・市民活動拠点施設」だが、これではさすがに重苦しいので、「ウェスタ○○」という愛称をつけたようだ。それにしても、分かりにくい呼び名である。ダサくても「○○県民&市民会館」あたりでもいいのではないか。

   駅の東口にも市の複合施設があって、図書館や多目的ホールなどが入っている。施設の名前は「クラッセ○○」だが、この「クラッセ」って、なんだろう? 管理人のおじさんに尋ねると、「私には分かりません」。市役所の担当課に電話すると、すぐには分からず、「少々、お待ちください」。しばらく経ってから、「ドイツ語で、素晴らしいという意味だそうです」と教えてくれた。

岩城 元(いわき・はじむ)
岩城 元(いわき・はじむ)
1940年大阪府生まれ。京都大学卒業後、1963年から2000年まで朝日新聞社勤務。主として経済記者。2001年から14年まで中国に滞在。ハルビン理工大学、広西師範大学や、自分でつくった塾で日本語を教える。現在、無職。唯一の肩書は「一般社団法人 健康・長寿国際交流協会 理事」
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