混乱する「5年ルール」の適用、原因は労使双方の「早とちり」? まずは自身の働き方を知ろう!

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パートは逃げろ! 「営業事務」「営業支援」の仕事に落とし穴

   ところが、じつは「5年ルール」で新たに生まれた、フルタイムで勤務している無期雇用のパート社員は、この「同一賃金同一労働」の対象外になっている。 社会保険労務士でジャーナリストの稲毛由佳さんは、「雇用契約と働き方は別問題」としたうえで、「給与は『責任に応じて支払われるもの』という考え方に基づきます」と話す。

   「たとえば、正社員はノルマあり。パートにはノルマがないとしましょう。ノルマには達成するという『責任』が課せられています。パートはノルマ達成という責任がない分、給料が安いというのであれば、同一労働同一賃金に反しません。ところが、会社側はそのあたりをはき違えていて、正社員と同様のノルマ達成の責任を課しながら、パートと正社員という社内身分の違いだけで正社員よりも、安い給料でパートを働かせようとするところに問題があります」と指摘する。

   それでも、現実には働いているうちにキャリア(勤続年数)がある人にはノルマがかかったり、正社員から仕事を押し付けられたりする。たとえば、小売りの店頭販売でクレジットカードの獲得にノルマを課したり、本来は営業事務の仕事なのに売り込みや顧客対応まで担当をさせられたり、そんなケースがみられるようになった。

   増えるのは仕事ばかりで、給料はちっとも増えない――。
そんなとき、どうしたらよいのか。

   「できる仕事や責任が増えても給料が上がらないことがわかっているならば、パートはできてもできないふりをして自己防衛するしかありません。けれども、そんな後ろ向きの努力をするくらいなら、正社員、非正規社員にかかわらずスキルや責任に応じて昇給する会社への転職を考えたほうがいいでしょう。転職は給与アップの大きなチャンスです。

   パートが会社にいいように使われるのは、『この会社で長く働きたい』『スキルアップしたい』と望みながらも、関心があるのは入社時の給料水準だけだったり、昇給に無頓着だったり、端からあきらめてしまう人が多すぎることも原因です」。稲毛さんはパート社員に、そう苦言を呈す。

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