「何もしなくても毎日1万円が入る」
「孫の世代まで現金を保証」
こんな虚偽のうたい文句で投資プロジェクトへの参加を誘い、参加料を支払わせていた事業者に対して、消費者庁は2018年8月29日、消費者安全法の第38条(虚偽・誇大な広告)に違反したとして実名を公表し、注意を呼びかけた。
情報商材業者「ジパング」(東京都新宿区)だ。ジパングは参加者約4000人から計約9億円を集めていた。被害者の間で集団訴訟を準備する動きも広がっている。
「あなたを資産のラストリゾート地に強制連行します」
消費者庁と、とりわけ被害者が多い栃木県の合同調査によると、ジパングは2018年2~4月、LINEの広告などに、
「5年以上負けなしの圧倒的な運用実績」
「341名の投資初心者に対し、毎月総額1億円以上、最低毎日1万円以上の現金配分を継続中」
「孫の代まで現金継続分配を保証」
「あなたはただ『乗っかる』だけ。私(代表者)が世界にたった1人ずつの私の父と母に誓い、全責任を持ち、現金をお渡しして、あなたを資産のラストリゾート地に強制的にお連れ致します」
といった、大時代的な甘い宣伝文句を並べ投資を募った。
その手口はこうだ――。まず、料金28万5000円で「金と銀の投資プロジェクト」への参加を勧誘する。海外の証券口座を開設させ、最低10万円を入金させる。そして、参加後にさらに儲かる特別コースとして、ジパングが独自に開発したとする「金と銀のアービトラージシステム」の商材購入を勧誘する仕掛けだ。
これは、金と銀を安い値段で買って高い値段で売ることにより莫大な差額を生じさせるシステムだという。
ジパングの説明では、「勝率は99%!」「利回りは年利1200%から最高1万2000%を達成!」「参加するだけで1000万円以上を無条件で丸儲け!」というトンデモない収益が得られるという。その参加料は45万円で、実際に支払った消費者は少なくない。