「体内時計が狂って体調を崩す」と欧州でも健康被害
サマータイムの導入は、国民の健康に悪い影響を与えるという点でも各紙は一致している。
「サマータイムは、緯度が高い国で夏の日照を有効活用するための仕組みだ。だが近年、冬時間と夏時間の切り替え時に、従来の想定以上に睡眠と健康に影響を及ぼしているとの研究結果が出ている。日本睡眠学会も、いまでも短い日本人の睡眠時間をさらに削り、健康障害を広げかねないと警告している」(朝日新聞、8月12日付)
「夏時間を長年採用してきた欧州でさえ、見直しの機運が出ている。欧州連合(EU)は『体内時計が狂って体調を崩す恐れがある』など、睡眠や健康への悪影響を理由に存廃の検討を始めた」(読売新聞、8月19日付)
健康被害に関連して、「働き過ぎ」につながる心配の声もある。
「外が明るい時間に仕事が終われば、家族らと過ごす時間が増え、個人消費の活性化につながるとの期待もある。だが、始業時間を早めても終業時間が今と変わらなければ、労働時間が長くなる恐れもある」(産経新聞、8月9日付)
「一般の企業にも、明るいうちは仕事を続けようという意識が抜けず、結果的に残業が増えることを心配する声がある。『働き方改革』に逆行しないだろうか」(読売新聞、8月19日付)