新たな独裁者を生み出しかねないワケ?
同じ不祥事がらみで最近業務改善命令を受けた銀行に、東日本銀行があります。同行はオーナー系ではありませんが、監督官庁である旧大蔵省からの天下りトップが頂点に君臨する絶対権力者がいる組織で、その意向を汲んだ無理な収益増強策が不祥事を生むことになりました。
監督官庁の元幹部キャリア官僚は第二地方銀行という天下り先においては、誰も面と向かって意見できるような存在ではないからです。その意味では、絶対権力者をトップにいただくスルガ銀行と権力構造や組織風土は似た環境にあったと言えるでしょう。
東日本銀行の不祥事発覚と業務改善命令の発令を機に、再発防止および組織風土の抜本的改革をはかるために、同行の持株会社であるコンコルディアフィナンシャルグループも含めた旧大蔵省OBの排除と天下りトップ就任の廃止を断行しました。
監督官庁である金融庁主導による英断であったということは、想像に難くないとことです。
組織風土を根本から変えることは本当に難しいことです。大蔵省OBを完全排除した東日本銀行においても、果たして思惑どおりの組織風土の改革が進むのかは現時点では何とも申し上げられません。
仮に絶対的権力者たるトップがいなくなろうとも、長年イエスマンの集まりとして生きてきた組織が、果たしてワンマン管理に頼らない主体的な組織運営に移行することができるのかと言えば、それは未知数だからです。
また新たな独裁者を生み出さないとも限りません。すべては一人ひとりの意識改革にかかっていると言えそうです。