仮想通貨をめぐり通貨の不正流出や詐欺的な商法などが問題になっているが、消費者庁は2018年8月28日、「仮想通貨のマイニング(採掘)で毎月30万円稼げる」と宣伝していた情報商材販売会社の実名を公開した。
その名は「株式会社リード」(東京都新宿区)で、消費者庁は消費者安全法第38条(虚偽・誇大な宣伝など)違反にあたるとして、その悪質な手口を情報公開。「表示はまったくのウソだから、同社とはもちろんのこと、似たような儲け話には安易に乗って契約しないように」と、注意を呼びかけた。
「資産が1000万、5000万、1億円と膨れ上がります」
消費者庁によると、リードをめぐっては2017年11月以降、各地の消費生活センターに128件の相談が寄せられ、被害総額は約2000万円にのぼる。
リードは同庁の調査に対し、昨年11月以降、約9億円を売り上げたと説明したという。
リードの手口=別図参照=はこうだ――。
インターネット上の広告に「仮想通貨で稼げる」と掲載し、毎月30万円を受け取り続けるためには「ビットコインジャパンプロジェクト」のLINEを登録するように誘導。すると、メッセージが届くようになり、同社のウェブサイトに誘導される。
ウェブサイトには、
「ビットコインを生み出す側に立ち、毎月最低30万円分のビットコインを受け取り続けている人が300人以上いる」
「1か月で2000万円のハイリターンを受け取った人もいます」
「オートビットチャージが生み出すビットコインを受け取るだけで、あなたの資産が1000万、5000万、1億円と膨れ上がります」
などと夢のような話が体験談とともに記載されている。
「オートビットチャージ」とは、リードのカリスマ的な指導者とされる「藤田真一」という人物が、15億円もの巨費をかけて開発したと称するマイニングのアプリだ。これを使うと、仮想通貨が信じられないほど増えるという。最終的に「オートビットチャージ」を10万~20万円で購入させるのが狙いだ。