「いいものだから買ってください」それは意外と通じない正論 では、どう売る?(高城幸司)

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意思決定の背中を押す一言

   ここで知っておいていてほしいのは、お客様は

・新しい高性能の製品
・海外の最新鋭の技術

だったら、飛びつくとは限りません。むしろ逆で、慎重に様子をみてしまうだけです。その理由は、「後悔すること」が怖いからです。

「新しいものに飛びついてみたら、まだ改良中で不具合ばかり」
「使ってみたら、話と違っていた。おかげで上司から叱られた」

   こんなふうに、目新しい商品の注文したときに、後悔する可能性がわずかでもあるなら「避けよう」と防衛本能が働くのです。お客様がこの判断基準を持っていることを忘れてはいけません。

   目新しい商品・サービスをどうしても売り込みたいなら、

「今すぐ買っても後悔は絶対にない」

という根拠を提示するのがベストです。

   でも、それは断言するのは難しいものがあります。そこで、こんな方法はいかがでしょうか――。

「同じ業界で複数のお客様が検討をされています」
「この地域で相当な法人に興味をもっていただいています」

と、お客様の周辺にいる人の情報を提供してみるのです。すると、おそらく、

1.ライバルに負けることはできないから検討する
2.ライバルが導入するなら、その様子をみて検討する
3.ライバルが導入するなら、別のシステムを検討する

と、3パターンのどれかで反応してくることになるでしょう。

   できれば1の反応になるといいですよね。

   いずれにしても、「いいものだから買ってください」というのは、お客様が意思決定するには決して十分ではありません。背中を押すような決定要因が必要です。それを提供できることこそ、売れる営業の極意なのです。(高城幸司)

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
株式会社セレブレイン
4534056192「営業」は必ず君の武器になる 「自信がない」「向いていない」と思っている人ほどうまくいく
高城 幸司
日本実業出版社 2018-08-30

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