意思決定の背中を押す一言
ここで知っておいていてほしいのは、お客様は
・新しい高性能の製品
・海外の最新鋭の技術
だったら、飛びつくとは限りません。むしろ逆で、慎重に様子をみてしまうだけです。その理由は、「後悔すること」が怖いからです。
「新しいものに飛びついてみたら、まだ改良中で不具合ばかり」
「使ってみたら、話と違っていた。おかげで上司から叱られた」
こんなふうに、目新しい商品の注文したときに、後悔する可能性がわずかでもあるなら「避けよう」と防衛本能が働くのです。お客様がこの判断基準を持っていることを忘れてはいけません。
目新しい商品・サービスをどうしても売り込みたいなら、
「今すぐ買っても後悔は絶対にない」
という根拠を提示するのがベストです。
でも、それは断言するのは難しいものがあります。そこで、こんな方法はいかがでしょうか――。
「同じ業界で複数のお客様が検討をされています」
「この地域で相当な法人に興味をもっていただいています」
と、お客様の周辺にいる人の情報を提供してみるのです。すると、おそらく、
1.ライバルに負けることはできないから検討する
2.ライバルが導入するなら、その様子をみて検討する
3.ライバルが導入するなら、別のシステムを検討する
と、3パターンのどれかで反応してくることになるでしょう。
できれば1の反応になるといいですよね。
いずれにしても、「いいものだから買ってください」というのは、お客様が意思決定するには決して十分ではありません。背中を押すような決定要因が必要です。それを提供できることこそ、売れる営業の極意なのです。(高城幸司)