「いいものだから買ってください」それは意外と通じない正論 では、どう売る?(高城幸司)

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国内での実績はあるの?

   そんな苦労を痛感している営業を1人紹介しましょう。

   システム会社に勤務する和田さんは海外からライセンスを受けたばかりの最新システムをお客様に紹介したところ、「このシステムは何社くらい導入しているの?」と質問された。そこで、和田さんは「はい、米国では3000社以上の導入実績があります。ただ、国内では今月から営業が開始になったばかりなので実績はありません」と回答。米国の実績があるので安心です...... と伝えたかったわけです。

   しかし、

「そうですか。うちの会社は石橋を叩いて渡る社風なので、国内である程度実績がないと検討はできませんね。改めて話は聞かせてください」

と、断られました。

   その後も営業に回りましたが、どこも判をついたように、

「国内での実績は何社ありますか?」
「同業での導入実績を教えて欲しい」

と、同じ質問をしてきては、「時期尚早だね。ある程度実績が出たら教えてください」と言われて追い返されてしまいます。

   海外ではかなりの優れものなので、自信をもってオススメしているのに、お客様としては、「国内実績がない=不安」としか思えないのでしょう。

「これだけいい製品なのに信用してくれないとは悲しい」

と、途方にくれる和田さん。営業していて、よく遭遇するシーンじゃないでしょうか。

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
株式会社セレブレイン
4534056192「営業」は必ず君の武器になる 「自信がない」「向いていない」と思っている人ほどうまくいく
高城 幸司
日本実業出版社 2018-08-30

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