株式を売買するうえで、企業の業績は重要な判断材料となる。2018年8月7日、東京株式市場が閉まったあとに、航空機内装品などのジャムコの第1四半期(2018年4~6月)決算が発表された。
営業利益は14億円。通期(2019年3月)予想は31億円を据え置いた。第1四半期決算の内容は18年9月の上半期予想(15.5億円)に近い水準に達している。
ポジティブサプライズの決算内容を受けて、通期業績予想は大幅な上方修正が期待できるとの見方が広がり、翌8日のジャムコの株価はストップ高(プラス500円)の2921円で比例配分となった。9日には3025円と年初来高値を更新している。
主力の航空機内装品が業績をけん引
2015年10月の高値(5270円)から3年近くにわたって低空飛行してきたジャムコの業績に、ようやく明るさが見えてきたようだ。
会社四季報(2018年3集夏号)によると、ジャムコの事業構成(18年3月時点)は、航空機の内装品製造が66%、航空機シート製造が16%、航空機器製造は8%、航空機器整備が10%となっている。
好調の業績をけん引するのは、主力の航空機内装品(ラバトリー=化粧室、ギャレー=厨房設備など)の業績改善のようだ。
引き続き好調に推移すると考えられる要因として、次のことがあげられる。
(1)ボーイング787の月間製造機数は12機(2018年1~6月納入実績は72機)で、2020年までに14機まで増産の予定とされる。それに伴い、ジャムコが一手に引き受けている航空機内装品(ラバトリー、ギャレー、操縦室の内装・ドア)の納入は、引き続き順調に進むと思われる。
(2)18年5月17日に、2020年に引き渡しが予定されている777X機向けラバトリーの初出荷を発表している。
(3)18年1月16日に、エアバスA350型機向けICEギャレー(客室後方に搭載されるギャレーとラバトリーが一体になったもの)の初出荷を発表している。
(4)そのうえ、内装品事業の新たな柱として育成中のシート事業も、特注品主体からプラットフォーム標準化に方向転換。中期経営計画を見直し、19年度はシート事業の黒字化を見込んでいる(会社四季報2018年3集夏号)。
(5)今期の為替レートは110円に設定。現時点では、想定内に収まっているとみられること。
現在のところ、これらの諸施策が効いているようだ。