女性向けカクテル、立ち飲みバーが充実
おもしろいのは、女性では男性とは逆に「飲酒習慣率」が高まっている年代があることだ=図2参照。20代~30代では男性同様に低下しているが、40代以上はすべての年代で増えている。特に40代では9.9%から15.6%へと1.6倍増、50代も8.4%から12.4%へと1.6倍増、なんと60代では5.3%から9.9%へと約2倍増のありさまだ。
この結果、40代女性の飲酒習慣率は20代男性より、4.7ポイント上回っている。
これはいったいどうしたことか。リポートでは「40代以上の女性で飲酒習慣率が高まっている背景には、女性の社会進出とともに、女性が好むようなチューハイやカクテルなどの商品が充実してきたこと、また、都市部では仕事帰りに女性たちが立ち寄りやすい立ち飲みバーなども増えて、女性がアルコールを楽しみやすい場が充実してきたことがあげられる」と説明しているのだが――。
J‐CASTニュース会社ウォッチ編集部では、調査をまとめた久我尚子さんに、さらに詳しく聞いた。
――40代以上の女性がよくお酒を飲むようになった背景に、「女性の社会進出」「女性が好むカクテルの充実」などをあげていますが、これらの理由は20~30代女性にも当てはまるのではないでしょうか?
彼女たちは、「女子会」も盛んに行っており、40代女性とは逆にお酒を飲まなくなったのは不思議です。
久我尚子さん「確かに当てはまりますが、若い女性では、男性と同様に「アルコール離れ」をしています。彼女たちは、様々な領域において情報通のデジタルネイティブ世代です。健康意識が高まっていることに加え、娯楽も多様化しており、飲む楽しみの相対的な価値が下がっているのかもしれません。夜に飲みに行く代わりに、カフェで「夜お茶」をしたりすることもあると聞きますので、女子会で集まっても、必ずしもアルコールを飲むわけではないようです」
――なるほど。しかし、40代以上の女性は健康面での不安が20代~30代により増えてくるはずです。それなのに、男性の40代以上が健康志向によって飲酒を控える傾向があるのに、逆であることが理解に苦しみます。
久我さん「女性では40代以上で飲酒習慣率が比較的高いものの、同年代の男性と比べると圧倒的に低い数字ですし、飲酒量も多くありません。大半はたしなむ程度で、健康リスクが懸念されるほどの飲酒量ではないのだと思います」