現実から目をそらしてはいけない
終戦という言い方を擁護する声もある。敗戦というのは、次は勝ってやるぞと、勝ち負けにこだわる軍人的発想だ、戦争はもう終わりにしようという終戦のほうがいい、といった意見だ。
なるほど、それも一理がある。でも、戦争中、「撤退」を「転進」、「全滅」を「玉砕」と言い換えてきた。その結果が無条件降伏である。事実を直視しないと、決していい結果にはならない。
いま、日本は本当に独立国だろうか。戦後、70年以上が経っても、米軍機が日本の空を自由に飛び回っている。そして事故を起こしても、日本側はなかなか手を出せない。
有名なのは2004年、米軍のヘリコプターが沖縄国際大学に墜落した事件である。当時、米軍は現場を封鎖し、機体の搬出が終わるまで、日本の警察や消防などはいっさい立ち入れなかった。
敗戦なのに終戦と言って現実から目をそらし、ノホホンと構えていては、「敗戦状態」はいつまでも続くのではないだろうか。