先日、ハラスメント研修の際に受講者の方から「音ハラスメントってありますか?」と聞かれました。音(サウンド)ハラスメントのことです。
聞くと彼女の職場にいるある男性は、昼食後の歯磨きを自席でするそうです。周囲の同僚が食事中であってもお構いなしで「クチュクチュ、シュワシュワ」と歯磨き粉を飛び散らせながら磨いて、口を漱ぐときだけ洗面所へ行くのだそうです。
「クチャクチャ」はマナー違反です
彼女はその「クチュクチュ、シュワシュワ」の音を聞くだけで食欲が失せてしまうため、食事の時間を少しずらしたり、イヤホンを耳栓代わりにして昼食をとったりするそうです。
その部署では、自席で食事をするのが慣例となっており、食堂もなく、またその男性は役職が高いため、周囲の同僚達も不快と感じていながら言い出せず、ずっと我慢しているとのことでした。
自席で歯磨きとは驚きましたが、食事にまつわる「音」の迷惑ですと食べるときにクチャクチャ音を立てる人がいるととても気になりますよね。
ある海外赴任経験者は、その国の人々は「音を立てて食事をするのはマナー違反」という認識がないため、食堂へ行ってもあちこちから「クチャクチャ」と音がするので食事を楽しめず、それが一番ストレスだったと話してくれました。
気遣いなし! 「歯磨き」上司はダメ上司
食事のマナーは、本来であれば家庭で幼少期にしっかりとしつけるべき事柄ですが、残念ながら、しつけができない親、自身がしつけを受けていない親が増えているようです。
冒頭の歯磨きをする男性は、幼少期からそれが当り前の家庭で育ったのか? はたまた大人になってから何らかの「効率化」と考えてするようになったのかはわかりませんが、いづれにしても悪気はないのでしょう。
騒音については何デシベルという数値で確認可能ですが、歯磨きの音はデシベルというよりも不快指数で測るほうが適切かもしれません。
さすがに、歯磨きの音を騒音として訴えることは難しいと思いますが、周囲に不快感を与えている点からみればハラスメントと捉えられても仕方ありません。何よりもマナーの面からも、周囲に対する気遣いが足りませんよね。
ランチタイムという限られた時間を、みんなが快適に楽しむためにも配慮が必要です。(篠原あかね)