えっ、そうなの? 東京医科大の「女子一律減点」医師の65.0%「理解できる」

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   東京医科大学の入試で起こった「女子の一律減点」は、医師にとってはあまり珍しいことではないようだ。

   女性医師のワークライフを応援するWEBマガジン「joy.net」を運営するエムステージ(東京都品川区)の調査によると、医師の65.0%が「理解できる」「ある程度は理解できる」と答えた=グラフ参照。2018年8月8日に発表した。

  • どういうこと? 医師の65%が「理解できる」って……
    どういうこと? 医師の65%が「理解できる」って……
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「予備校時代から言われていた。だから女子学生は何倍も努力する」

   調査では、東京医大が入試で女子を一律減点していることについて、意見も聞いた。「理解できる」「ある程度は理解できる」と回答した医師は、

「許容はできないが、やっぱりこういうこともあるのかという気持ち。実際自分も、家事育児をするために仕事を調整して、できないことも多いので、働ける男性を優先されることについて、大きなことを言えない。誰もが勉強できる、研修できる、仕事できる風潮に少しずつ変わってほしい」(小児科医)
「医療システムの問題として、激務は事実です。また、妊娠出産での欠員を埋めるようなバックアップシステムが不十分であることも事実です」(小児科医)
「女性の権利としては認めるし、悪いのは彼女たちではなくてシステムなのもわかる。男性医師が家庭のことをやれ、というのもごもっとも。だが、われわれ男性医師が深夜12時過ぎまで働いたり、当直の肩代わりなど、現実の負担増を考えると東京医大がやったことも必要悪として気持ちはわかる」(放射線治療医)
「そういうものだと、予備校時代から言われていた。だから女子学生は何倍も努力して、成績もトップ層にならなければ受からない。だからそのつもりで勉強していた」(呼吸器外科医)

との声を寄せた。一定の理解を示す医師の中には、「周囲に負担をかけているため、仕方ない」という、あきらめの声が少なくない。

   また、妊娠や出産、育児を経て、医師が働き続けることのできない医療現場に課題があることもわかった。「理解できない」「あまり理解できない」と答えた医師からは、

「出産や結婚で復帰できない状況がおかしい。女医の割合が増えてきてそのような理由で医局を離れる状況を問題視するのであれば、どうしたら復帰できるか、医局を離れないようになるかを変えるべき」(産婦人科医) 「女性だから離職を前提にすることがそもそも間違いで、時代に逆行している。男性医師は子供が産まれても妻に家事育児の一切を丸投げしていることが多いし、女性医師が産休育休後に復帰しやすい職場環境を整えないと医師不足は進むばかり」(精神科医)

といった声のほか、

「東京医大だけの問題ではなく、そもそも女性医師が働きやすい現場でないのが問題」(心臓血管外科医)
 「同じ受験料を取り、合格の傾斜配点を先に示しているのならばありだが、そうでないなら詐欺だと思う」(産婦人科医)
「医師を志す受験生の心を折るようなひどい扱いだと思います。この不合格のせいで、医師になることを諦めた女子受験生がいたとすると本当に許せない」(外科医)

などと、厳しく非難する。

   なお、調査は男女の医師を対象に、8月3~6日にインターネットで実施した。有効回答数は103人。

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