週末の新聞の夕刊には映画の広告が多い。週末に公開する映画、あるいは、すでに上映中の映画の広告である。
それらを見るのは、ひとつの楽しみだけど、首を傾げさせられる表現も多い。
「満員御礼!」なのに、ガラガラ
たとえば、翌日に公開の場合、「明○○日公開」で十分だと思うのだが、「いよいよ公開」「ついに公開」というように、余計な言葉がよくくっついている。
たかが映画の公開である。「いよいよ」「ついに」は、なんとも紋切型で、かつ大げさではないだろうか。
すでに公開中の映画だと、やはり紋切型の「満員御礼」という表現が目につく。でも、僕もときどき自宅に近い映画館に足を運ぶが、満員だったことなんて、まずない。田舎の映画館のせいかもしれないが、逆にガラガラで、「これでもやっていけるのか」と、心配になることのほうが多い。
広告をつらつら眺めていると、「満員御礼」はまだおとなしいほうである。「絶賛公開中」「絶賛上映中」「大ヒット上映中」「各紙で絶賛」「絶賛の嵐」などと、どんどんエスカレートしていき、これらをまとめて「大ヒット絶賛上映中」というのもある。
僕が見た中では「連日満席続出 驚異のリピーター続出」がもっとも大げさだった。そして、これらにはよく「!」が1個、2個、3個とついている。まだまだ強調したいようである。