「光コラボってなあに?」光回線サービスで騙される高齢者急増

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   「はあ~、プロバイダーってなに?」「フレッツ光って、どんな光?」「転用承諾番号って、何を転用するの?」――。2015年に東西のNTTが光回線サービスの卸売りを始めて以来、多くの光コラボレーション事業者(光コラボ)が光回線サービスに参入しているが、利用者との間でトラブルが急増している。

   年間1万数千件もの相談が国民生活センターに寄せられているが、その多くが光回線サービスをよく理解できない60歳以上の高齢者からのものだ。

  • 「光コラボってなあに?」の漫画付きガイドブック(国民生活センターのホームページから)
    「光コラボってなあに?」の漫画付きガイドブック(国民生活センターのホームページから)
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本来NTTとは関係ないのに似た名前を名乗って...

   国民生活センターによると、全国の消費生活センターに寄せられた「光コラボ」に関する相談は、2015年1月~2018年5月までの約3年半で、合計4万5380件にも達している。

   このうち、60歳以上が占める割合が、2015年の33.8%から2018年には51.0%と、年々増えている。相談内容の大半は、高齢者側が無理解のまま、契約を結んでトラブルになったり、無理解に乗じて業者が悪質な商法を行なったりするケースという。 たとえば、こんな事例がある。

【事例1】契約先のプラン変更と思ったら、別業者との契約になっていた。

元々契約していた大手通信事業者Aを名乗り、電話で「光コラボのご案内です。現在の料金よりも1000円ほど安くなります」と勧誘された。光コラボが何かもよくわからなかったが、A社だと思い信用してしまい、相手のガイダンスに従ってパソコンで転用承諾番号を取得して手続きをした。 電話の最後に「後からB社から電話がある」と告げられた。B社からの電話があり、「後日契約書面を送ります」と言われた。しかし、A社から勧誘されたのに、B社と契約するのはおかしいと思い、A社に確認すると「そんな勧誘はしていない。B社に解約手続きが必要だ」と説明された。B社に何度電話しても話中でつながらない。(60歳代男性・神奈川県)

   特に電話勧誘の場合、最初にNTT東西もしくは関連会社であると誤認させるケースが多い。利用者は現在契約しているNTT東西との光回線サービスの内容変更だと思って勧誘を了承し、転用承諾番号を取得して契約手続きを行ってしまう。また、NTT東西のウェブページ上の取得ページに誘導して番号を取得さ せるなど、あたかもNTT東西との契約に必要な手続きのように思わせる悪質なケースもある。光回線サービスは、あくまで光コラボとの契約であり、NTT東西との契約ではないことを理解して、引っかからないようにしよう。

【事例2】光回線の変更が必要であるかのように勧誘。

以前から「光回線を当社に変えないか」と電話勧誘があったが断っていた。昨日、「電力工事を来月行うので、そのお知らせに訪問したい」と言われ、契約中の電力会社だと思って話を聞いた。「この地域は皆、この光回線にしている。あなただけが違っていて困っている。月額1000 円安くなる」と言われ、書類に住所氏名を記入した。後で書類を見ると、電力会社ではない別会社の加入申込書だった。すぐに勧誘員に電話し契約を破棄すると話したが、「再度訪問する」と言われたきり連絡がとれない。(70歳代女性・高知県)

   「この地域一帯・マンション等の光回線契約が変更になる」「現在の光回線サービスが終了する」などと言って、本来変更しなくてもよいのに、新たな契約が必要であると誤認させるケースが増えている。契約をする前に勧誘された事業者名やサービス名、連絡先、契約内容を必ず確認しよう。

「料金が安くなる」と言われ、オプションでもっと高く

【事例3】「料金が安くなる」と言われ契約したら、オプションで高額に。

大手通信会社の関連会社と思わせる事業者から勧誘電話があった。「安くなる」というので申し込んだ。事業者の指示でウェブページから転用承諾番号を取得して伝えた。払込用紙が届いたので請求内容を確認すると、契約した覚えのないパックのオプション料金1000円と、払込用紙代の手数料が加算されていた。事業者に問い合わせたが、担当者から折り返すと言ったまま連絡が来ない。 (30歳代女性・青森県)

   「今より安くなると言われたのに、かえって高くなった」「説明された料金と実際の請求額が違った」という苦情は多い。事業者に「安くなる」と説明されても安易に信用せずに、契約の前に、しっかりと料金やオプションの有無、契約の中身の詳細を確認することが大事だ。

【事例4】スマホの説明を聞きに行っただけなのに、光回線の転用手続きが行われていた。

新しいスマホに興味があったので携帯電話会社の販売店に説明を聞きに行った。契約はしないことを前置きに、個人情報を伝えて機能や料金プラン等の説明を1時間ほど聞いた。後刻、自宅のメールアドレスに契約先の大手通信事業者から転用手続きと違約金約1万円を請求するというメールが届いた。大手通信業者に問い合わせると、「光回線の転用申し込みがあったので連絡した」と言われた。転用を了承した覚えはない。(70歳代、男性・福島県)

   光コラボとの契約を了承した覚えがないのに、契約したことになっているケースも見られる。また、光コラボ事業者に契約前の検討資料としてパンフレットを送ってほしいと依頼したところ、契約書が送られるケースもあるため注意したい。契約した認識がなくても契約になっている事例があるため、覚えのない事業者から書面が届いたらすぐに内容を確認することが大事だ。

   契約した覚えがなければすぐに事業者にその旨を申し出て、らちがあかなければ最寄りの消費生活センター「電話番号188(いやや!)」に相談しよう。

   また、国民生活センターは2018年7月26日、「光コラボレーションモデルってなあに?」という漫画つきガイドブックを、ホームページに掲載。注意を呼びかけた。

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