民泊をやるには、地方自治体への届け出が必要と聞いたじぇい。
いったい、どんな届け出が必要なの? それに副業になるから、会社への届け出も必要になるかも? 刈谷先生、そのあたりを教えてほしいじぇい。
副業の届け出、会社のルールを確かめて!
住宅宿泊(民泊)事業を行おうとする者は、あらかじめ住宅の所在地を管轄する都道府県知事または保健所設置市などの長に対して、「住宅宿泊事業届出書」の提出による届け出が必要になります(住宅宿泊事業法3条)。
会社への届け出の要否は、それぞれの会社によりますので、会社の担当部署に聞いたり、就業規則などを調べたり、届け出が必要かどうか、確認してください。
なんだか、面倒くさいじぇい。届け出せずに営業した場合、なにか罰則があるの?
届け出せずに民泊を営業した場合、まず住宅の所在地を管轄する都道府県知事から業務廃止などの命令が下される可能性があります(民泊新法16条)。そして、その命令が下されたにもかかわらず従わない場合には、6か月以下の懲役もしくは100万円以下の罰金、または両者を併せて科されることとなっています(民泊新法73条)。
トラブル防止、怠れば業務改善命令もある
う~~~ん、やっぱり面倒だじぇい。民泊をやりやすくしたのに、届け出する人が少ないのは面倒なせいじゃないの?
それはそうでもなくて、いま言われているのは、民泊をやろうと検討している人の中に、事業による利益が得られないんじゃないかと、考えている人がいるからなんです。
今回の民泊新法では、営業時の手続きなどは簡便になりましたが、別途、宿泊させる日数が、1年間で180日まで(民泊新法2条)に制限されるなどの規制が設けられました。そのため、民泊を営業するにあたってかかる諸経費など、新たな投資の資金が回収できないと、判断する人もいるわけです。
なかなか、大変だじぇい。あと気になるのが、宿泊したお客さんがトラブルを起こした場合、その責任はどうなるんだじぇい!?
宿泊した客が第三者との間でトラブルを起こした場合、第三者に対する責任を負うのは宿泊客であるのが原則です。
ただし、住宅宿泊事業者は宿泊者に対する周辺の生活環境への悪影響の防止に関して必要な事項の説明義務(民泊新法9条)や、周辺住民からの苦情や問い合わせに対する対応義務(民泊新法10条)を負っていますので、この義務を怠れば、都道府県知事から業務改善命令が下される可能性があります(民泊新法14条)。業務改善命令は、民泊営業の一時停止を、また悪質なケースでは営業そのものをやめさせることもできます。
なお、住宅宿泊事業法施行要領(ガイドライン)では、事業を取り巻くリスクを勘案して適切な保険(火災保険、第三者に対する賠償責任保険など)に加入することが望ましいとされています。
隣人トラブルを避けるために、やっておくこと!
隣人とのトラブルを避けるために、「これだけはちゃんとやっておいて!」っていうことはないの?
騒音やゴミ出し、苦情対応などについて、決められていることは、以下のとおりです。どれも、民泊新法に規定されているんですよ。
・ 宿泊者に対する周辺の生活環境への悪影響の防止に関する必要な事項の説明(民泊新法9条)
具体的には、
(1)騒音の防止のために配慮すべき事項
大声での会話を控えること、深夜に窓を閉めること、バルコニーなどの屋外での宴会を開かないこと、届出住宅内は楽器を使用しないことなどを説明することが想定されます。
(2)ゴミの処理に関して配慮すべき事項
当該市町村における廃棄物の分別方法の説明が必要です。
(3)火災の防止のために配慮すべき事項
ガスコンロの使用のための元栓の開閉方法とその際の注意事項、初期消火のための消火器の使用方法、避難経路、通報措置などを説明することが想定されます。
・ 周辺住民からの苦情や問い合わせに対する対応(民泊新法10条)について、必要な対応の具体策を紹介します。
(1) 深夜早朝を問わず、常時、応対または電話によって対応する必要があります。
(2) 宿泊者が滞在していなくても、苦情や問い合わせには対応する必要があります。
(3) 誠実な対応が必要で、たとえば回答を一時的に保留する場合であっても、相手方に回答期日を明示したうえで後日回答するなどの配慮が必要になります。
(4) 滞在中の宿泊者の行為によって苦情が発生している場合、その宿泊者を注意しても改善されないような場合には、現場に急行して退室を求めるなどの措置を講じる必要があります。
(5) 苦情や問い合わせが緊急を要する場合には、必要に応じて警察署や消防署、医療機関などに連絡して、その後自らも現場に急行して対応することが必要になります。
きちんと守って、しっかり運営すれば外国人旅行者も、周囲に住む人も楽しくすごせるはずだじぇい。なんだか、やる気がむくむくと沸いてきたじぇい!