「13人か...... すばらしい!」
最後は、世界が注目したタイ洞窟の劇的な救出のニュースから。タイ北部チェンライの洞窟に少年サッカーチームが閉じ込められた事故では、閉じ込められてから約20日後にコーチを含む全員が奇跡的に救出されました。
様々なドラマが生まれたなかで、ハイライトはやはり「発見の瞬間」でしょう。救出にかけつけた英国人ダイバーが、洞窟の奥に寄り添うように座り込んでいた少年たちを発見した時の第一声です。
How many of you? Thirteen?
(何人いる? 13人いるかい?)
「13人だ」と少年のことばを耳にして、思わず安堵のことばがこぼれます。
Thirteen...... Brilliant
(13人か...... すばらしい)
報道によると、第一発見者の英国人ダイバーは、空腹のため身動きをしない少年たちが、生きているのか死んでいるのかをわからずに声をかけたとのこと。「最悪の事態」も想定していただけに、全員が無事とわかって「13人か...... すばらしい」ととっさに声に出たのでしょう。
今回、私が一番心に刺さったのは、この「Thirteen...... Brilliant」でした。「ことばにならないことば」という感が伝わってきます。
ちなみに少年たちは、いきなり水面に顔を出したダイバーが、タイ語ではなく英語を発したことに驚いたそうです。運良く少年の一人が英語を話せたので、ダイバーたちとコミュニケーションができたとか。英語って大事ですね。
脅威の忍耐力とチームワークで困難を乗り越えたタイの少年たち。君たちにはきっと、世界中からこのことばが贈られていることでしょう。
You have a bright future ahead of you.
(君たちには、輝かしい未来が待っている!)
(井津川倫子)