池上先生、ありがとう! 堅実無比の「日本信号」を新発見(石井治彦)

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駅の自動券売機や自動改札機、ホームドアも日本信号だった!

   会社四季報(2018年7月11日号)によると、日本信号は、鉄道信号や交通信号で首位。独立系で公・民営鉄道とは幅広く取引がある。駅務自動化装置や駐車場システムなどの情報制御事業でも有力とある。信号機メーカーが、駅には欠かせない自動券売機や自動清算機、自動改札機、軽量型ホームドアをつくったり、空き地を有効活用して増えている駐車場のシステムをつくったりしていることには、少々意外に思ったが、「情報制御」技術を生かしているのだから、すぐに腑に落ちた。

   さらに、世界で主流化しつつある無線信号も積極的に展開。非接触ICタグや超小型光デバイス関連の新規事業に注力しているとされる。

   今期の事業は、柱の信号システムがJRや私鉄向けの信号保安装置の更新需要を取り込み、回復を予想。「今期予想経常利益は136.9%増益見込み」とあった。また、海外事業も順調のようだ。

   おそらく、多くのドライバーが常々感じていると思うのだが、日本では信号機を含む交通関連標識が多すぎるのではないか。環状交差点の増設や、信号機や道路標示などが削減できれば、ドライバーは運転しやすくなり、その結果、事故の減少につながると考えられる。そういえば、最近わが家の近くでも、赤の点滅信号がなくなっていることに気がついた。過剰な信号機は、撤去されつつあるのかもしれない。

   環状交差点が世界の潮流になれば、日本でも今後「交通信号」の需要が減るかもしれない。

   とはいえ、日本信号には「鉄道信号」がある。加えて、環状交差点がこのまま一気に普及するとは考えづらい。都市部は交通量が多く、また交差点が多いうえに狭く、交差点にぐるりと円を描けるほどの広さが必ずしも確保できない。ある場所は信号機、ある場所は環状交差点では、ドライバーがかえって混乱する懸念もある。

   そう考えると、これはカタい投資先ではないのか――。日本信号の2018年8月2日の株価は1093円。用意する投資金額も、驚くほどではない。また、過去5年の株価チャートを見ると1000~1300円のレンジで推移している。

   してみると、大きな利益を得ることは難しいが、この堅実さは評価できると読んだ。(石井治彦)

2018年8月2日現在    保有ゼロ

年初来高値 2018/01/09 1234円00銭
年初来安値 2018/02/14 904円00銭
直近 終値 2018/08/02 1093円00銭

石井治彦(いしい・はるひこ)
   1970(昭和45)年に大学卒業後、自動車大手に勤務。リース販売を手がける。投資歴は実質25年。入社後にユーザーと接するなかで得た情報と自分の知識で、最初のボーナスをもとに株式運用を開始。しかし、78~98年の20年間は投資する余裕がなく、休止に。それが幸いしてバブル崩壊の痛手は軽傷だった。ただ、いつでも動けるよう、日本経済新聞をはじめ経済誌などには目を通していた。
   「現物株式取引」と「長期投資」が基本姿勢。2011年の退職後は少しの小遣い稼ぎと、興味をもって経済誌を読むために株式を保有している。現在、14の銘柄で、1万3800株を運用。東京都出身、69歳。
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