2018年3月期決算の上場企業2375社の女性役員は1049人で、役員全体のわずか3.8%に過ぎないことがわかった。東京商工リサーチが7月31日に発表した。前年(933人)と比べて116人増えたものの、女性役員が一人もいない企業は1563社(構成比で65.8%)だった。
政府は15年12月に第4次男女共同参画基本計画を閣議決定。上場企業の女性役員比率を、2020年までに「10%」に引き上げる目標を掲げているが、実現はかなり厳しい。
女性最多はサービス業、逆に建設業などは少なく
2018年3月期の上場企業2375社の役員数は、男性は2万6477人、女性は1049人だった。女性役員比率は3.8%で、構成比は前年の3.3%から0.5ポイント上昇した。
また、女性役員ゼロの企業は前年の1646社から83社減少し、1563社となった。女性の役員登用に向けた動きは緩やかだが進んでいることがわかった。
2018年3月期で女性役員比率が前年より上昇したのは210社で、低下したのは130社。全体の8割を占める2035社が横バイだった。
女性役員比率を業種別にみると、最も高かったのはサービス業の6.0%(前年5.2%)。役員総数が1991人(前年1988人)のうち、女性役員は121人(105人)を占めた。次いで、小売業5.9%(5.2%)、金融・保険業5.6%(5.1%)、電気・ガス業5.1%(5.0%)、不動産業4.5%(4.2%)と続く=別表参照。いずれも、前年から増加している。
一方、女性役員がゼロの業種をみると、最高は建設業で77.0%(131社中101社)と8割近くを占めた。女性役員比率も2.0%(役員総数が1697人、女性役員35人)で、全業種で最低だった。また、製造業と卸売業で女性の役員登用が少なかった。
東京商工リサーチは、男女雇用機会均等法の施行から32年が経過。女性役員の登用は端緒についたばかりで、女性登用の遅れた業種とサービス業など進んだ業種とで明暗を分けている、としている。