企業研修で講師を務める、篠原あかねです。弊社も近年はコンプライアンスに関する研修のご依頼がとても増えています。特に「ハラスメント」にまつわるご相談がとても多いので、これまでのさまざまな事例をもとに、このコラムでは「マナー」と「ハラスメント」という観点からお伝えしていきたいと思います。
さて、その第1回。女性の講師仲間が集まると、つい話題になるのが「エロ社長」についてです。
社長にとって「食事=営業」でない
社長とは言うものの、ここでは、いわゆる研修発注の決裁権限がある男性たちのことです。初回のご挨拶が済むとそのあとは「一度ゆっくりお話しを聞きたいので」「打合せも兼ねてお食事でも」などと夜の食事に誘われます。 当然ながら、私たちも受注に繋がることを期待してお供します。ところが、いつになったら仕事の話になるのだろう? と思うまま時間が過ぎ、たいした進展なく終わります。
私たちにとって「食事=営業」ですが、彼らにとっては「食事=デート」なんですね。もちろん、内心では「そんなもんだよね」と諦めていますけど。
そして、翌日はお礼のメールを送ります。仕事上お世話になった後には速やかにお礼メールをするのはビジネスパーソンの基本です。美味しい食事であったこと、研修を検討いただきたいことなどビジネスライクに書いて送信します。
すると、エロ社長から返信が届きます。内容は、楽しかった! 今度はどこそこのお店へ行こう! などなど。多くの場合は仕事と関係のない、次回のデートの取り付けです。この段階で、私はこの会社への営業は保留にしますので、これ以上は二人で食事に行くことはありませんが、なかにはしつこく誘う方もいます。