社長真っ青、資金ショート! 危機に備える銀行付き合いのコツ(大関暁夫)

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資金繰り悪化は社長の判断を鈍らせる

   さて、T社ですが、残るは社長の個人資産頼りなのですが、本人はまったくそのあたりに無頓着なので個人資産の管理を担当している社長夫人を交えて再度協議し、それなりの個人預金があることを確認しました。

   そこで社長の個人資産を銀行融資の代わりに会社に一時貸し付けることとし、同時にKさんの職場復帰による新規取引の営業強化についても、渋々応諾してもらうに至りました。とにかく技術力はピカイチな会社であるだけに、なんとか新規取引を拡大して、社長が一日も早く資金繰りの悩みから解放されることを祈るのみです。

   資金繰り、おカネに関しては企業を動かす原動力であるだけに、一度この点で問題が起きてしまうと、経営者はあらゆるマネジメント事項に関して判断機能がストップしてしまうことが間々あります。

   どんなにハイスペックの自動車でも、ガソリンが切れてしまえば何も機能しないのと同じです。経営者たるもの経営がいかに好調であっても、万が一資金繰りが悪化した場合を想定して、銀行借入の融資金をプールしておくのか、社長の個人資産を緊急避難手段とするのか、日常から有事に備えておく必要があると痛感させられました。(大関暁夫)

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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