部下の「やりたくない」を「やる!」に変える 「デキる」管理職になるためのヒント(高城幸司)

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3つのタイプの「目的意識」

   まず、今どきの若手社員はたとえ自分の本位と反して営業担当になったとしても、多くの人が「自分なりに目的意識を持って仕事をしていきたい」と考える傾向があります。

   目的意識を持つとは? 何のためにそれをするのか...... を明確にすること。たとえば、プレゼン資料のコピーするにしても「重要なお客様に配布するもので、読むのは役員の方々。だから、みやすいように準備するのが大事。それができれば、会社の収益に大きく貢献できる可能性が高い仕事です」と、認識して意欲的に取り組みたいわけです。

   ですから、仮に営業職になりたくないと回答していた人も営業部門に配属されたら「やる気なんてない」とネガティブな気持ちで満載とは限りません(もちろん、そのようなネガティブ満載の人もいますが)。営業職に対する目的意識を醸成させるメッセージを伝えれば、意欲的に活躍する可能性は相当にあるのです。

   ただし、人によって目的意識は違います。各自の目的意識を把握する必要があります。筆者の時代であれば、高い営業成績を上げて影響力を高めたいと考えるタイプが多数を占めていました。

しかし、現在では
・成長したい
・貢献したい
・専門力を高めたい
の3つタイプが増えています。

   たとえば、営業の仕事を通じてワンランク上の仕事にチャレンジしたい。貢献したいタイプは自分ではなくお客様のため、組織のためになるかどうか。これらは一見、素晴らしく問題がないようにも思いますが、利益よりも他者を優先してしまいがちなので、会社の方向性と違うところに走ってしまうという恐れもあります。

   専門性を高めたいタイプは知識や能力を高めたいと考えます。自分の知識を蓄積し、高い能力を身に付けること...... を目的意識と考えがち。そこで、営業部門の管理職は新たに配属されてきた部下がいれば「どのようなタイプか?」を聞く、ないしは想像して目的意識を醸成させるメッセージを伝えましょう。

   たとえば、貢献したいタイプの部下が配属されたときに、

「わが部署はチームでの成果を出すことを重要と考えています。○○さんの経験はチームの一員として貴重な存在です。大いに期待しています」

とメッセージを伝えたら、ネガティブであったかもしれない気持ちさえ前向きに変えることができる可能性が相当にあります。

   管理職は目的意識を醸成するためメッセージの発信にこだわることを心がけましょう。それができれば部下の掌握が進み、営業成績も向上すること間違いありません。(高城幸司)

高城幸司(たかぎ・こうじ)
1964年生まれ。リクルートに入社し、通信・ネット関連の営業で6年間トップセールス賞を受賞。その後、日本初の独立起業専門誌「アントレ」を創刊、編集長を務める。2005年に「マネジメント強化を支援する企業」セレブレインの代表取締役社長に就任。近著に『ダメ部下を再生させる上司の技術』(マガジンハウス)、『稼げる人、稼げない人』(PHP新書)。
「高城幸司の社長ブログ」
株式会社セレブレイン
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