子どもたちには待ちに待った夏休み! さあ、どこへ行こうかというわけで、帝国データバンクは2018年7月23日、全国の遊園地・水族館・テーマパーク165社の経営状況調査(2017年度)を発表した。
TDRとUSJの2社で全体の7割を独占
調査によると、収入高ナンバーワンは東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドの4065億1300万円(前年比2.6%増)で、全165社の収入高総額の47.8%を占めた。2位のユニバーサル・スタジオ・ジャパンを運営するユー・エス・ジェイ(USJ)の1658億3800万円(前年から横バイ)と合わせると、両社で全体の7割の67.8%を占めるという、圧倒的な2トップを維持した。
2017年の165社の収入高合計は前年比1.4%増の約8507億8500万円と微増にとどまった。増収企業は53社で全体の32.1%しかなく、7割が減収と、全体的に伸び悩んでいる。
165社のうち、2期連続で損益が判明した106社を見ると、2017年の黒字企業は78社で全体の7割超の73.%で、前年から8社減少した。一方で2期連続の赤字企業は12社(11.3%)と、前年から8社増えている。
2017年の訪日外国人観光客は2869万人となり、最多だった前年を19.3%も上回った。これに対して2017年の遊園地・テーマパークの入場者数は7803万人と前年比のわずか0.6%増だから、外国人観光客の増加率の30分の1だ。帝国データバンクでは、「このように外国人観光客を取り込めていないことが、テーマパーク・遊園地業界の不振につながっている。旅行会社や交通機関など他業種と連携して、外国人に魅力的なパッケージプランを提供すれば、もっと伸びる可能性がある」と指摘する。
よみうりランドと海遊館が健闘したワケ
個別のテーマパーク・遊園地を見ると、断トツの2社の積極的な投資拡大が目立つ=別表参照。オリエンタルランドは、2018年6月、約2500億円を投じて多くの新アトラクションや飲食施設、ホテルなどの建設を目指す「東京ディズニーシー大規模拡張プロジェクト」を発表した。22年度中の開業を目標だが、来年度にもライドに乗って風や匂いを感じながら、世界中の名所や大自然をめぐるアトラクション「ソアリン(仮称)」がオープンする。
USJも、今春から新たに「ハリー・ポッター」や「おさるのジョージ」など子どもに人気のキャラクターやゲームを使った4つのアトラクションを一挙にオープンしている。 このほか、東京のよみうりランドが、2016年3月にオープンした親子一緒にモノづくりが体感できるエリア「グッジョバ!!」が人気を呼び、前年比13.7%増。また5年前の大規模リニューアルで、世界最大級の水族館となった海遊館(大阪府)が、外国人観光客の人気スポットにもなり、前年比11.3%増と好調だ。