使って便利「アスクル」 世界的な貿易摩擦の今なら、いいかも!?(石井治彦)

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   これまで納戸に入れたままになっていたシステム机を組み立てて使うことにした。

   それに伴い、机に合うオフィス用の椅子を買うことにしたが、家具店にあるわけでもなく、購入方法がわからない。そこで以前勤めていた会社の知人に聞いたところ、オフィス用品の配達サービス「アスクル」が便利と紹介された。さっそく、使ってみることにした。

  • アスクル、ディフェンシブ銘柄として有望株!?
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新しいオフィスには、新しい机と椅子が気持ちいい

   インターネットで調べると、アスクルには法人向けの「アスクル」と、個人向けの「ロハコ」があることを知った。ロハコで椅子を検索して商品を調べたところ、品揃えが豊富なうえ、商品の写真も掲載されていて、必要とする椅子は容易に見つけることができた。

   「ロハコ」を使ったのはこれが初めてだったが、商品の選択から発注、購入までスムーズで、スイスイできた。これからも機会があれば、また使ってもいいと思っている。

   そんなことをきっかけに、アスクルに興味を持ったところ、2018年7月5日付の日本経済新聞に、「アスクル」の18年5月期連結決算の記事を見つけた。それによると、5月期決算は純利益が前期に比べて4.6倍の46億円と、すごくよかった。

   アスクル株は、前年2月16~29日まで、13日間に及んで燃え続けた埼玉県の物流倉庫の火災の影響で値下がり。16日の3630円の始値から、3月1日の終値では3335円と、295円も値下がりしていた。

   この火災の影響で代替倉庫などの費用がかさんだが、その一方で火災損失引当金の戻し入れや埼玉県と福岡市の倉庫の売却などで特別利益114億円を計上していた。

   埼玉県の倉庫は東急不動産傘下の特別目的会社(SPC)に98億円で売却。売上高は7%増の3604億円となった。8割強を占める企業向けのネット通販は4%の増収。火災の影響のあった個人向けの「ロハコ」は、「ペット用品の通販会社の買収効果があり、30%の増収だった」と記している。

   ドライバーの採用増など、物流コストの高騰は通販事業者の共通した悩みだが、インターネットをはじめとする通販需要はまだまだ右肩上がりが期待できる。まして、事務用品のような定型的な商品は、そのニーズが強い。

   まして、オフィス需要は旺盛だ。オフィス仲介大手の三鬼商事(東京都中央区)によると、都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の2018年5月の空室率は2.68%で、需給均衡の目安とされる5%を大きく下回っている(7月3日付の日本経済新聞)。「企業が転居した後の空室も、残った企業の増床ですぐに埋まる場合が多い」という。

   個人的には昔ながらの事務机が使いやすいのだが、最近はどのオフィスもデザイン性に優れ、使い勝手のよいシステム机を使っている。新しいオフィスには、やはり新しい机と椅子が気持ちがいい。買い替え需要も見込めるというものだ。

為替の影響を受けにくいディフェンシブ銘柄

   さらに、アスクルが「東京ミッドタウンの地下に物流拠点を設ける」との情報(7月3日付で、アスクルが「新たな小口配送モデルの実証実験の開始」を発表)。従来は自社の物流拠点から配送していたが、注文の多い品目は配送先の近くで在庫を持ち物流のムダを省く。それにより、事務用品が企業に速く届くようになるという。

   アスクルについて、「会社四季報」2018年3集夏号(2018年6月15日発売)は、見出しで「大幅回復」と記述。「2019年5月期は個人向け『ロハコ』の出荷能力、商品点数が火災前を上回る水準に回復。法人事業者向けは安定成長」とあった。順調に売り上げを伸ばしており、19年5月期決算の予想も91.4%増益と改善を見込んでいる。

   そうしたなか、米トランプ政権による対中国、欧州連合(EU)、日本との貿易摩念が広まり、世界経済の先行きは読みづらい状況が続いている。年内の最大イベント、米国の中間選挙まであと4か月。このような時機に、為替の影響を受けにくいディフェンシブ銘柄であるうえ、オフィス効率化に役立つ「アスクル」は、これからの投資対象として、おもしろいと考えた。

   2018年7月6日には、米国と中国の貿易摩擦が貿易戦争に発展したことを受けて、アスクル株は3000円の年初来安値をつけた(年初来高値は3月8日の4020円)。2576円近辺の安値があれば、「買い」のタイミングと考えている。

2018年7月20日現在   保有ゼロ
年初来高値 2018/03/08 4020円00銭
年初来安値 2018/07/09 2956円00銭
直近引終値 2018/07/20 3120円00銭

石井治彦(いしい・はるひこ)
   1970(昭和45)年に大学卒業後、自動車大手に勤務。リース販売を手がける。投資歴は実質25年。入社後にユーザーと接するなかで得た情報と自分の知識で、最初のボーナスをもとに株式運用を開始。しかし、78~98年の20年間は投資する余裕がなく、休止に。それが幸いしてバブル崩壊の痛手は軽傷だった。ただ、いつでも動けるよう、日本経済新聞をはじめ経済誌などには目を通していた。
   「現物株式取引」と「長期投資」が基本姿勢。2011年の退職後は少しの小遣い稼ぎと、興味をもって経済誌を読むために株式を保有している。現在、14の銘柄で、1万3800株を運用。東京都出身、69歳。
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