銀行員は「売ったら、おしまい」
そもそも、「いつ買って、いつ売るか」は、初心者ではなかなか判断がつきにくい。その一方で、銀行や証券会社などの販売側は「絶対に儲かります」などの断定的な判断やアドバイスはできない。
それにもかかわらず、「マイナス金利に強い」「インフレへの備え」「今後のロボット社会に対応」「オリンピック特需で活気がある」などと、その時流に乗ったテーマ型投信や、毎月分配型や分配金の高い投信などをあれこれ取り揃え、なかには手数料が高いうえ、仕組みが複雑で一般には理解しづらい「通貨選択型」や「仕組み債」などのデリバティブを用いたハイリスク・ハイリターン商品も販売している。
つまり、銀行員が提案する投信は、お客の興味を惹きそうな、「オススメしやすい」投信ということ。銀行員も、その販売実績が自身の業績評価にカウントされるのだから、売るしかない。
しかも、投信の運用結果は3年後、5年後、商品によっては10年後にならないとわからない。銀行員は早ければ2、3年で異動してしまうので、売った投信が儲かろうと儲かるまいと関係ない。購入者に「自己責任」を押しつけて、「売ったら、おしまい」というわけだ。
投信は多くの人が買っているときが、高値のとき。銀行員が投信を売らないときが、買いごろなのかもしれない。